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2019.08.30

サカナクション山口一郎が屋上庭園をプロデュース 「五感で癒しを感じる」

GINZA SIXの屋上「ROOF TOP ORCHESTRA-音を奏でる庭園」について語る山口一郎(右)

こう連日、30度を超える日が続くと、ふと涼しく、静かな空間を求めてしまう。

そんな時に、ピッタリなのが8月6日からGINZA SIXの屋上庭園で開催されている光×音×テクノロジーがミックスした次世代のインスタレーション「ROOF TOP ORCHESTRA-音を奏でる庭園」だ。

8月5日、一般公開に先駆け開催されたメディア内覧会に参加するため、銀座の中央通りを歩くと、歩行者の半数以上は外国人観光客と思しき人たちで溢れかえる。この日の東京の最高気温は34.9度、夕方とはいえまだ高い温度に加え人々の熱気と喧騒に包まれていた。エレベーターで地上約56メートルの屋上庭園へ到着すると、陳腐な言い回しだが、そこは都会のオアシスだった。水盤エリアの影響だろう地上とは体感で3~4度違う涼しさと、都心とは思えない静けさが暑さで疲れた体を癒やしてくれる。

1924年から2013年まで営業を続けていた老舗デパートの松坂屋は、2017に「GINZA SIX」へと生まれ変わった。GINZA SIXはセリーヌやサンローラン、フェンディをはじめとするラグジュアリーブランドの他、能楽堂や観光バスの乗降スペース、オフィスなどからなる複合施設だ。

「ROOF TOP ORCHESTRA」をプロデュースしたサカナクションの山口一郎も「初めて屋上庭園へ足を運んだとき、子どもが水盤で遊んでいたり、芝生の上で寝転がっている光景を目にした。冷たい温度感というか、銀座ならでの空気感が漂う素敵な場所だった」と初めて訪れた際の感想を記者会見で語った。

「ROOF TOP ORCHESTRA」は、GINZA SIXの屋上庭園の水盤エリアと芝生エリアに、「オーケストラの演奏台」をイメージした6つの6面体のモニュメントと、光の柱を設置。来場者がモニュメントを叩くと、音と光が連動しインタラクティブな体験ができるイベント。

山口は「銀座は作法というか、ルールがある空間だと感じた。照明を激しく光らせたり、音を強制的に聞かせるのではなく、音楽が自然と流れ、来場者のみなさんにくつろいでもらえる空間をデザインした」と語った。


ROOF TOP ORCHESTRA-音を奏でる庭園

実際に体験してみると、激しい光や音を利用した派手なインスタレーションではなく、目や耳など五感を通して癒されるようなインスタレーションだった。

山口が言うように、銀座はルールがあると思わせる街なのかもしれない。GINZA SIXから信号を一つ隔てた場所には、創業120周年を迎えた老舗ビアホール、銀座ライオンをはじめ、GINZA SIXの近くだけでも虎屋、鳩居堂など伝統ある店が軒を連ねる。
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文・写真=本多カツヒロ

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