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「2050年になったとき、果たして世界各国がそれまでと同じように日本に食料を輸出し続けてくれるでしょうか。経済力も世界3位を維持できる保証はどこにもないし、もっと高く買ってくれる国が他にあればそちらに売ろうとするのは当然のこと。そう考えると、無駄な食品を捨てている場合ではないはずです。一刻も早く内需でエコシステムを回して、おすそ分けの文化を広げる必要があります。そこで2018年にスタートさせたのがTABETEでした」

三方よしの社会派ウェブサービス「TABETE」



TABETEは、廃棄の危機にある食品を手軽に“レスキュー”できるウェブプラットフォームだ。会員は、まだ食べられるのに廃棄せざるを得なくなった飲食店の料理や、惣菜や弁当など中食の商品を「レスキュー価格」で割安に食べることができる。

店側も廃棄予定の食品を販売できて売上アップにつなげられる。ユーザーにとっても、店にとっても、環境にとってもいい『三方よし』の社会派サービスと言えるだろう。

「加盟店は東京を中心に300を超え、ユーザーも15万人を超えました。とはいえ、まだ都内中心で地方に広げられていないので、今後は地方都市で起爆させていきたいと考えています」

川越がフードロス問題に関心を持ったのは、新卒で就職した「銀座ライオン」の会社員時代のことだった。

「銀座ライオンのビアホールでホール業務をやっていたのですが、毎日大量に出る食べ残しを廃棄していたんです。宴会料理が全く手つかずの状態で返ってくるのを見て、消費者側の食べ物に対する意識に違和感を覚えました」

1年半ほどで銀座ライオンを退職した川越は、学生時代から縁のあった山梨県富士市に移住し、コミュニティカフェを立ち上げる。そこで食文化を見直す世界的な運動のスローフードに関わったり、東京でディスコスープという活動に参画したりした。

ディスコープとは、品質は問題ないのに、形がいびつだったりして食品として流通できない野菜でスープを作り、無料で配る活動だ。

「ディスコープは毎月1回、ボランティアとして活動していて、スープ作家の有賀薫さんに来てもらったり、たくさんの学生が手伝ってくれたりしていました。でも、どうしてもフードロスの問題について、来てくれている人にしかリーチできないというもどかしさがあって。もっと他に手はないかと考えたときに、海外でフードシェアが広まっているという記事を読んだんです。それをヒントにTABETEのビジネスモデルを考えました」

文=衣谷 康 写真=小田駿一

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