ビジネス

2019.08.28

開始1年で累計流通額8億円を突破。NOINが描く、化粧品メーカーと消費者の新しい関係性

(左)ノイン取締役COO 千葉 久義 (右)ノイン代表取締役CEOの渡部賢


「NOINでは、商品紹介の中に『コンプレックスや悩みをどう改善させられるか』について必ず明記しています。ユーザーにはプッシュ通知でお知らせが届き、自らのコンプレックスや悩みから、商品詳細ページに辿り着いてもらうようにデザインしています。商品詳細ページでは商品情報がかなり詳しく、まるで記事のように書いています」(渡部)

NOINのユーザーの平均年齢は25歳と若く、ユーザーの6割が18〜25歳で構成されている。若年層のユーザーは低単価な商品を好む傾向にあるというが、NOINでの平均購入カート単価は4000円だという。先日、NOINは開始1年で累計流通額が8億円を突破したことも明かしてる。



「若い子たちは、値段が高くても良い商品を買います。コンプレックスに対して、その商品がどのように効果があるのか丁寧に説明することで、購入を決めてくださっています」(渡部)

また、ユーザーの地域属性に注目してみると、東京の割合はそこまで高くないという。ZOZOTOWNでも東京の割合は17.2%、他のECサイトもおそらく東京のほうが立ち上がりがいいというが、コスメの場合は少し事情が違う。

「地方においてコスメは販売チャネルがシュリンクしているマーケット。販売員の年齢が高いため、若い女性は店舗に情報を取りに行こうとしない。ターゲットも若い女性向けではないことが多い。だからこそ、NOINの商品紹介ページからの情報収集、送料0円でのコスメ商品購入が可能という点で地方における強みがある」(渡部)

直接契約だからこそ、メーカーは消費者の声を商品に反映できる。

メーカーと消費者が近ければ近いほど、ユーザーの声を商品に反映しやすくなる。従来のECでは、小売店がメーカーから商品を卸し、プラットフォーム通して消費者に提供するという仕組みだった。しかしNOINの場合、中間に位置する小売店がなく、メーカーと直接契約できる。

「メーカーによる自社ECサイトでは、自社ブランドを認知している顧客だけにしかリーチできません。しかし、そのブランドが認知されていないお客様にも必ず需要はあるはず。これからはNOINで初めて商品を購入したお客様にブランド側がCRMを打てるようなシステムを作ろうと思っています」(渡部)

メーカーがNOINを利用するメリットは、認知外の顧客にもリーチできるということ。メーカーの商品の購入を検討していなかった潜在の顧客に対し、CRMを打つことにより購入転換させることができる。消費者側へメーカーが歩み寄ることは、これからの時代において必要なムーブだとNOINは捉えている。


次ページ > 行動データを可視化

文=大木一真 写真=NOIN提供

ForbesBrandVoice

人気記事