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ただし、後藤の思いとは裏腹に、「Payme」は社会から総じて歓迎された訳ではなかった。サービスの認知が進むと、前払いした金額から一定料を受け取るビジネスモデルが注目され、貧困者の「その日暮らし」を助長する「貧テック」と呼ばれたり、企業を隠れ蓑にしたペイデイローン(小口金融)ではないかと疑われたりと、批判を受ける機会も出てきたのだ。

しかし、後藤はこう語る。「僕たちが目指しているのは、電気や水道と同じように、『Payme』を日本の新しい金融インフラにすること。人々の人生の選択肢を、少しでも増やしていきたいんです。特に若い人たちは、一時の資金不足が解消するだけで、いろんな挑戦ができるようになる。そこにたどり着くつくためだったら、まずは名前を知ってもらい、ポジティブ・ネガティブを問わず、議論してくれればいい。そして、社会の構造上、即日払いのサービスも必要だよねと認めてもらえるように、一生懸命、前を向いて進むだけです」

実際、ペイミーは政府が用意する「グレーゾーン解消制度」を利用し、2018年12月、経済産業省から「賃貸業には該当しない」との回答を受けた。社会性が認められ、健全なサービスであることを証明したわけだ。関係省庁とのすり合わせには、1年の時間を要したという。

サービス開始から約2年が経過し、「Payme」の導入企業数は300社を超えた。後藤も、「僕たちに対する世間の目は、最近、大分変わってきたように感じます」と認めるが、それでも現状には満足していない。

「『Payme』がフィンテックの中に括られていること自体、まだ社会から軽視されている表れかと思います。ホットなキーワードに属するサービスの一つではなく、一人前の金融サービスとして認知してもらえるまで頑張りたいんです」

社会に認められるため、タイを締める

19年7月7日、ペイミーは創業2周年を迎えた。同日には、サイバーエージェント、ミクシィ、インキュベイトファンドから7億円の資金調達を行ったことを明らかにしている。累計調達額は10億円を超えたが、実は、今回の資金調達にあたり、後藤は失敗を経験している。

「将来的なスケールを考慮して、金融機関や総合商社、大手広告代理店なども訪問したのですが、今回は、望んだ結果を得ることはできませんでした」

文=花岡 郁 写真=小田駿一

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