ヴィーガンが盛り上がるロサンゼルスに3年住んで気づいた、多様性の大切さ

ヴィーガンバーガー by Getty Images

ロサンゼルス(LA)に住み始めて、もうすぐ3年になる。移住した理由の一つは、私が東京で共同経営していたヴィーガン(完全菜食主義)のお店に来店されるお客様の中に、LAから来た人がかなり多かったことだ。彼らからいろいろな話を聞く中で、ヴィーガンだけでなくライフスタイル自体に興味がわき、仕事を通じて現地で何かにチャレンジしたいという確固たる思いが芽生えたことだった。

このコラムでは、ヴィーガンをはじめ、LAの最新の日常風景を発信していきながら、読者の皆さんに現地ならではの最新事情をお伝えしていくつもりだ。


私がLAに生活の拠点を置いたこの3年弱の間に、日本に住む友人たちが何度か旅行で会いにきてくれた。せっかくだから、いろいろな観光地に連れて行かなくてはと張り切って計画するのはいいが、LAにはいわゆる「観光地」らしいものが、それほど多くないことに気づく。

それよりも、現地に住んでいる人がどのような日常を送っているかを「体験」したほうがいい。街の人々や生き様、ライフスタイルの面白さなど、住んでみないと気付かなかった部分を知ってもらうほうが、観光地を巡るよりも圧倒的に楽しんでもらえるからだ。

ハリウッドやユニバーサルスタジオ、ディズニーランド、ビバリーヒルズなど、観光スポットとして有名な場所はいくつかある。しかし、熱心なファンでない限り、すべて訪れたとしても2日あれば十分だ。

私の友人たちも、有名な観光地巡りよりも、地元の人がどういう生活をしているか、どんなものに注目しているかなどに興味がある人ばかりだ。

であれば、それほど観光地に詳しくない私でも案内役ができる。休みの日に一人で遠出して出歩いた私の経験が生きてくるからだ。昔からアメリカへの憧れが強かった私は、LAに住み始めてから、仕事以外ではあえて日本人と距離を置いていた。アメリカ文化にどっぷり浸ろうと思い、興味のあるお店や、新しい場所へ探索に行くにしても、アメリカ発祥のものばかり求めていた。その積み重ねで集めたネタを基に、友人が来たときには、彼らの趣向に合ったところへ連れていく。

友人たちのLA観光の目的の一つとして、ローフード(非加熱調理食)やヴィーガンのお店巡りがある。彼らの中には、東京で私が共同経営していたヴィーガンのお店のお客さんだったという人もいる。彼らは、LAは全米の中でもヴィーガンが盛り上がっていることをすでに知っている。

そんな彼らのためにリサーチしてみると、LAにはすでに人気のヴィーガン専門レストラン以外にも、ヴィーガンを意識してメニューを出しているレストランが増えていることに改めて気づかされた。ヴィーガンレストラン専門の検索サイト「HappyCow」で調べてみると、その数は164軒に及ぶ。


ヴィーガンカフェ「サン・カフェ・オーガニック」
次ページ > いい意味で「ゆるい」のが特徴だ

文=Mei Kato

ForbesBrandVoice

人気記事