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Pegasus Pics / Shutterstock.com

顔認証テクノロジーについて批判的な報道が相次ぐ中、中国南東部で発生した事件が新たな見方を提示することになった。殺人犯が死者の顔を用いて銀行アプリの顔認証を突破しようとしたが、その顔が死人のものであることが検知され、犯行は未然に防がれた。

報道によると、銀行からの通報を受けて警官が急行し、死体を燃やそうとしていた犯人を逮捕したという。このニュースは中国の廈門(アモイ)の現地紙Xiamen Evening Newsがまず報道し、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが伝えた。

問題のアプリはMoney Stationと呼ばれるもので、認証の際にユーザーがウインクすることを求めていた。この機能はそもそも、写真による不正認証を防ぐためのものだったが、死体による認証突破を防ぐ上でも有効であることが証明された。

ウインクが検知できなかったため、アプリの管理者はマニュアルで画像の検査を行い、女性の顔に痣があり、首を締められた跡があることに気づいた。さらに、音声認識を通じて、男の声を検知したという。

記事によると犯人はZhangと名乗る29歳の男で、ガールフレンドを殺害した後に4200ドル相当を引き出そうとしたという。検察側によると、Zhangは女性の両親に「数日間、旅に出かける」と伝えた後、ロープで首を絞めて殺害したという。

犯行後、Zhangは被害者のWeChatで職場の上司に連絡をとり、休暇を申請していた。その後、死体をレンタカーで運んだという。

生体認証を用いる際、それが「生きた人間」のデータであることを確認することの重要性は高まっている。その際に最もシンプルで確実な手法が、目のまばたきや笑顔を検知するテクノロジーだ。

今回の事件で興味深いのは、まばたきによる自動認証に失敗したことで、検査員がマニュアルで画像を検査し、殺人事件の発覚につながったことだ。ロボットが人間を監視する、ディストピア社会の到来が予言される中、この事件は人間による監視が今もまだ有効であることを示すことになった。

編集=上田裕資

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