SKテレコムの5G加入者数は、2011年に始まったLTEの2倍のペースで伸びているという。5Gの利用者は、LTEより月平均で65%多くデータを使用し、オンライン動画サービス(OTT)の利用時間も130%長いという。
同社のLTE利用者は月平均で20.4GBのデータを消費するが、5Gに乗り換えた利用者のデータ消費量は33.7GBに上昇している。コンサルティング企業Moor Insightsによると、SKテレコムは5G分野で世界の競合に先行しており、4月の5G対応の開始時には、Kポップスターや有名アスリートを起用した広告キャンペーンを実施した。
SKテレコムは3万カ所以上の5Gのベースステーションを保有しているが、国土の狭い韓国において、これは異例の多さといえる。SKの全契約者数は2800万人で、全体の3.5%が5Gにアップグレードしている。
「世界の通信キャリアが5Gの普及を目指す中、契約者数でSKテレコムがリードしていることは確かだ」とMoor InsightsのプレジデントのPatrick Moorheadは述べている。
SKテレコムはサムスンの新たな5G端末によって、さらに5Gの普及が進むと見ている。サムスンは先日、Galaxy Note10 5Gを発売したが、SKは既に3台の5G対応端末(Galaxy S10 5G、LG V50 ThinQ 5G、Galaxy Note 10 5G)を販売中だ。
SKテレコムがごくわずかな期間で、100万人を超える5G利用者を獲得できたことは意義深い。ただし、ここで重要な意味を持つのはデータ消費量の増加だ。
通信キャリアにとって重要なのは5G利用者が既存の回線より、65%も多いデータを消費している点だ。これは回線事業者のみならず、コンテンツ業界にもインパクトを与えることになる。この数値は、世界で高まる5Gへの期待をさらに加熱させるものといえそうだ。
筆者は、5Gの導入で即座に世界が変わるというような考え方には否定的だ。しかし、メディアやエンタメコンテンツの消費の変化や、職場でのリモートワークの浸透に5Gが重要な役割を果たすことは明らかだ。
「SKテレコムは、5G回線を利用する顧客のエクスペリエンス向上を目指し、5Gに特化した先進的コンテンツやサービス開発を進めていく」と、SKのバイスプレジデントのRyu Young-sangは声明で述べた。