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b-monster 塚田美樹・眞琴姉妹

暗闇の中でサンドバッグを叩いて汗を流す「暗闇ボクシング」。塚田美樹・眞琴姉妹が率いるb-monsterは、最先端の格闘系フィットネスとしてニューヨークで流行したこのスタイルを、日本に初めて持ち込んだ。

2人は今回、日本を代表するビジョンや才能を持つ30歳未満の30人を選出する名物企画「30 UNDER 30 JAPAN 2019」のコンシューマー・ビジネス部門を受賞。

b-monsterが急成長している背景には、顧客にステータスを感じさせる創業者・塚田姉妹の徹底したブランド戦略がある。



フィットネスとエンターテインメントの融合

ニューヨーク発祥の新たなフィットネス「暗闇ボクシング」を日本に持ち込んだb-monster。2016年に第1号となる銀座スタジオをオープンすると、わずか3カ月で会員が急増し、スタジオはパンク状態に。3年たった現在では、 国内外に12店舗を構える成長ぶりだ。

「暗闇ボクシングのコンセプト自体は、誰でも真似できるんです。だからこそ、b-monsterは、徹底的に差別化してブランドをつくっています」と美樹は戦略を明かす。サイクリングに加圧、EMS(筋電気刺激)など、フィットネス業界の新陳代謝は激しく、定期的に新たなムーブメントが訪れては、その波に多くの事業者が便乗する。コンセプトだけで勝負するのでは、生き残りは難しい。

塚田姉妹は、「運動好きでファッションやカルチャーへの感度が高い27歳のOL」を明確なターゲット像として描き、彼女らがステータスを感じるブランドづくりに励んできた。その世界観は、「可愛い」で はなく、「クールでスタイリッシュ」だ。店舗の外観や設備など、何かを判断するときには、常に「それはクールなのか」を基準としている。

スタジオに足を踏み入れた瞬間からその世界観は再現されている。例えば、新宿スタジオはポップでカラフルなサーカスをイメージし、池袋スタジオはビンテージ感が漂うニューヨークの地下鉄をイメージするなど、店舗ごとに異なるテーマが設定されており、アミューズメントパークのような様相だ。

恵比寿スタジオは、都市国家バチカンをイメージしてつくられており、頑丈な鉄格子のような扉を開くと、パンテオン建築を思わせる石の柱が並び、天井にはシャンデリアが吊り下げられている。そして、鍛え上げられた体に、金髪やピンクヘアーなど、個性的なスタイルが目を引くスタッフからフレンドリーな挨拶が投げかけられる。

実際にトレーニングがスタートすると、その驚きはさらに加速する。真っ暗闇の中で、大音量で流れるHIP HOPやダンスミュージック。スタジオの壁面には、音楽に合わせたプロジェクションマッピングが繰り広げられる。

「パフォーマー」と呼ばれるジムトレーナーは、スタジオの中心に据えられた専用のレーンを、端から端までリズミカルに移動して、「Come on!」「Yes!Yes!」といった掛け声や手拍子で参加者をチアアップ。45分間のプログラムごとに、重低音の効いた音楽がノンストップで流れる空間は、 グローブを着用してサンドバッグを叩いていることを除けば、もはやクラブだ。

文=伊勢真穂=文 写真=ヤン・ブース

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