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「『ほかのフィットネスではうまくいかなかったけれど、b-monsterでは、気がついたら痩せていた』と話してくれるお客さんが多いんです」と美樹は言う。 クールでスタイリッシュ、かつエンターテインメントの要素を融合させたb-monsterの暗闇ボクシングは、歯を食いしばって体を鍛えるのではなく、ライブ感覚で楽しみながら汗を流せるため、通い続けやすいのだ。

体験レッスン参加者の入会率にも、塚田姉妹のブランド戦略が反映されている。現在の入会率は約30%で、フィットネスクラブが会員数に応じて収益が上がるビジネスモデルだということを考えれば、決して高い数字とはいえない。しかし、2人は、この30%こそが正解がととらえている。

実は、体験者が入会に至らない最大の理由は、料金や設備ではない。

「プログラムがハードだから入会しないという声が圧倒的に多いんです」と眞琴は言う。

「一番いい理由だと思っています。なぜなら、『b-monsterに通っている人たちは、あのきついトレーニングをこなしている』というイメージにつながるじゃないですか」。つまり、入会しない人を意図的につくり出すことで、会員のステータス感を高めているのだ。



トライアンドエラーでアップデートを続ける

塚田姉妹は、父・母ともに経営者の家庭で、「やりたいと思ったことは、なんでも挑戦するべき」という教育を受けて育った。美樹は学生時代、普段着のレンタルサービスや、アマチュアカメラマンと旅行者のマッチングサービスなど、いくつかの事業にチャレンジ。眞琴も、お笑いに興味をもったら、インターネットで漫才の相方を探して大会に出場してみたり、野球を見ておもしろそうだと思ったら、女性ながら野球チームに所属してみたりと、行動力を培ってきた。

大学後の進路には、家業を継ぐか、就職するかの選択があったが、2人で旅行したニューヨークで暗闇ボクシングに触れて、「これだ!」とひらめいたことが起業のきっかけになった。

教え込まれたチャレンジ精神は、しっかりビジネスに落とし込んでいる。オーストラリアでユニークなサンドバッグが開発されたと聞けば、すぐに現地を視察し、その場で導入を即決。実際の会員の反応が思わしくなければ、すぐに撤去。トライアンドエラーでアップデートすることは、b-monsterに新鮮さをもたらし、暗闇ボクシングのトップランナーであり続ける一因となっている。

文=伊勢真穂=文 写真=ヤン・ブース

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