現在、赤坂が取り組んでいるのがストリートファッションブランド「WIND AND SEA(ウィンダンシー)」の経営だ。
同ブランドはもともと、スタイリスト、フォトグラファー、クリエイティブディレクターの熊谷隆志が2018年2月に立ち上げたもの。その数カ月後に赤坂がブランドを譲り受け、それ以降、経営者として旗艦店を駒沢から中目黒に移し、リニューアルオープンするなど、ブランドの舵取りを行っている。
赤坂自身、学生の頃から街中で買ったデザイナーズブランドをネットオークションで販売するなどアパレルが好きではあった。ただ、9年ほどインターネットビジネスに関わってきた中で、なぜ次の挑戦が「アパレルブランドの経営」だったのか。赤坂に話を聞いた。
「ブランドを伸ばす」実験をやってみたかった
──赤坂さんがWIND AND SEAの経営に携わることになった経緯は何だったのでしょうか?
赤坂:インスタグラムがこれだけ普及し、個人が情報発信をしていく延長でブランドをつくれる。そういう時代背景があることは、ひしひしと感じていて。店舗とECを使ってブランドを育成していくことは、いつか取り組んでみたいことのひとつだったんです。
とはいえ、自分ひとりの力でゼロから立ち上げるのは難しそうだな、と。自分でブランドを立ち上げた経験はない。ましてやアパレル業界のルールも知らない。どうしようか考えたときに、知人の紹介で熊谷さんとお会いする機会があって。そのタイミングで、ブランドビジネスに取り組んでみたいという思いを伝えてみたんです。そうしたら熊谷さん自身、WIND AND SEAをもっと成長させていきたいお想いがあったようで、「それならWIND AND SEAをブランドとして成長させてみる?」と提案いただき、ブランドを譲渡してもらえた。
アパレルの知識が十分にあったわけではないのですが、熊谷さんの持っている創作力をブランドとして世の中に伝播していく役割が自分にはできるのではないか。そう思い、着手してみました。「絶対にアパレル」と思っていたわけではなく、タイミングよく話があった会社が熊谷さんの会社で、WIND AND SEAというアパレルブランドがあった、という感じです。個人的には“実験する”ような感覚に近いです。