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2019.08.24 20:00

イーロン・マスクらが実践 「何もしないこと」で生まれる独創力

「無への階段」(オーストリア)(Jakapong Paoprapat / shutterstock.com)

「無への階段」(オーストリア)(Jakapong Paoprapat / shutterstock.com)

より創造的な思考を得るためには何もしないことが重要だと理解している独創的な思想家は、イーロン・マスクとビル・ゲイツが初めてではない。聞いた話によると、マスクは一人で長い時間シャワーを浴びるのだという。また、ゲイツはキャビンで最長1カ月にわたり一人きりで過ごすそうだ。
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これまで科学や技術、芸術の世界で起きた偉大な進歩は、入浴中(アルキメデス)や散歩中(テスラ)のひらめきによってもたらされたようだ。レオナルド・ダビンチでさえ、モナリザを完成させるまでに10年以上かけている。周囲からは単にぐずぐずしている見られることがある時間の使い方が、大きな成果につながったのは明白だ。

これはいたって合点がいくことだ。あなたが最近何かをひらめいた瞬間は、眉間にしわを寄せているときだっただろうか? それとも何か他のことを考えていたときだったろうか?

細菌学の父であるルイ・パスツールが「運は準備ができた心に味方をする」と言ったのは間違ってはいなかったが、それでも人々は誰もが、入念な調査と長時間の集中により新しく独創的なアイデアが生まれるという幻想を抱えている。しかし、新たなアイデアはそのことに集中していないときに現れるものだ。個人的な成長や見識、創造性を呼び起こすには、何にも邪魔されず自由に考えられる時間が必要なのだ。
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脳の創造力は、前頭前皮質がリラックスしているときに一気に向上する。最新の頭部画像法でもこの説が裏付けられており、右脳の側頭葉で高周波活動が一気に増えることと関連した「ひらめき」の存在が示されている。こうした脳活動の増加は、周囲の環境をあまり意識していない「脳のまばたき」の後に起きるもので、こうしたパターンは分析的思考の最中には見られない。

私にとって、何も考えずにいられる時間は運転中や家事をしているときだ。人によってはそれが走っているときかもしれないし、庭いじりをしているときかもしれない。外で自然に触れることで、意識的な脳のスイッチが切れ、独創的な思考のために必要なスペースが生まれるようだ。
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編集=遠藤宗生

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