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ファッションのゲームチェンジを目指して

川崎の取り組みの原点は、自身が現在在学している慶應義塾大学大学院政策メディア研究科X-Designプログラム、通称XDにある。

幼少時代からSFやファンタジーの世界に魅了されていた川崎は、ファッションとは無縁の生活を送っていた。しかし、大学1年生の時に経験した東日本大震災以降人間の衣食住を問い直す風景を目にし、興味を深めていく。

その後、本格的に歴史からデザインまでファッションに関することを勉強するために、SFCへ入学し直す。



「XDでは、周りを見渡すとAIや脳科学、音楽、建築からエンジニアリングまで、他分野の研究をする学生が自然と目に入ってくるんです」と川崎。そんな環境下で日々ファッションの過去を学び、未来を想像していた彼にとって、あらゆる領域からの視点を自らの活動に取り入れることは自然な流れだった。

「iPhoneのソフトウェアが常にアップデートされるように、テクノロジーとファッションのような既存分野が混ざると、“未完成であること”が逆に価値になります。みんな、ラディカルなプロトタイプに魅力を感じるようになる。ファッションとテクノロジー、サイエンスの融合のためには、一貫した主題の下で小さな完成を繰り返し、常にアップデートを継続することが重要です」

これまでは社会に対して問いを投げかける実験的な取り組みが活動の中心だった川崎は、ついに社会実装という次のステップへと歩を進める。

2019月、グローバル・チェンジ・アワードの受賞メンバーであるSFCでの研究仲間とともに「Synflux」を結成したのだ。

「これからは起業家として、これまでの取り組みをいかにビジネスに落とし込んでいけるか。ぼくはファッションデザイナーとして、既存のファッションのゲームチェンジを目指して社会実装に挑戦します。変革は服単体のみならず、サービスからシステムのレベルまで。やらなければいけないことはたくさんですが、これからがすごく楽しみです」

<受賞者たちへの共通質問>
今後3年で成し遂げたいことは?


かわさき・かずや◎1991年生まれ。スペキュラティブ・ファッションデザイナー。バイオテクノロジー、ウェアラブルテクノロジー、デジタルファブリケーションに依拠しつつ、ファッションが持つ未来志向・思索的な創造性を探求する実践をおこなう一方で、デザイン学としてのファッション研究を学術的に確立することを模索している。


川崎をはじめとした、個性あふれる「30 UNDER 30 JAPAN 2019」の受賞者の一覧はこちら。若き才能の躍動を見逃すな。

文=田中一成 写真=伊藤 圭

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