ビジネス

2019.08.23

目指すは「カメラ版のウーバー」 カメラブが提案する、フォトグラファーの新たなエコシステム

カメラブ代表の高坂勲

首から一眼レフカメラを下げたカメラ女子やカメラ男子という言葉が生まれるほど、カメラを趣味にする人たちがここ数年で増えた。インスタ映えなど、見せるSNSの隆盛が流行に拍車をかけたのだろう。しかし、一眼レフカメラはレンズも合わせるとエントリーモデルでも数万円は下らない。初期投資が高く、気軽に始められないのがネックだ。

そんな問題を解消しよう、とカメラのサブスクリプションサービス「GooPass」を手がけるのがカメラブだ。同社は8月20日、日本ベンチャーキャピタル、新生銀行、昭和リース、複数のエンジェル投資家から数億円規模の資金調達を実施したことを明かした。また、今回の資金調達が5月度に実施された昭和リースとの業務提携(事業マネジメント契約)による機材購入予算枠という形での調達も含まれている。

今後、同社は「GooPass」ユーザーの需要増加に対しレンタル器材の供給不足の解消やサービスサイトの改善、カスタマーサクセスの体制を強化したいという。

カメラをもっと手軽なものに

カメラブの創業は2017年4月。代表の高坂勲は12年間、IT企業の会社員として組織の立ち上げから携わり、営業を筆頭にさまざまな職種を経験してきた。その過程で趣味でもあるカメラを軸にビジネスを展開できないか、と考えていた。その結果、高坂はカメラを始める際のハードルの高さに気づく。「カメラは高級機材のため、始めようと思っても機材を購入できずに挫折してしまう」(高坂)。この課題を解決しようと考えた。



当時、動画や音楽をはじめ、サブスクリプションサービスが盛り上がっていることを目の当たりにし、このモデルをカメラに用いることにしたという。こうして初期投資を抑え、カメラ機材を気軽にレンタルできるカメラのサブスクリプションサービスが生まれた。GooPassは月額定額でカメラや交換レンズ、ドローンなどの撮影機材をレンタルし放題のサービス。新商品を含めた約600種類をウェブ上で予約し、全国へ配送してくれる。
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文=本多カツヒロ 人物写真=小田駿一

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