ハリウッド・レポーターは8月21日の記事で、スウィフトがCBSの番組インタビューで「過去の全ての楽曲を新たにレコーディングし直す計画だ」と述べたと伝えた。再録音する楽曲はデビューから6枚目までのアルバムの全楽曲だという。大変な手間のかかる作業になりそうだが、これはスウィフトが楽曲の支配権を奪還する上で、ベストな戦略かもしれない。彼女の発言の詳細は8月25日の「CBS Sunday Morning」でオンエア予定だ。
ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデ、カニエ・ウェストのマネージャーを務める音楽マネージャー、スクーター・ブラウンは彼のファンド「イサカ・ホールディングス」を通じ、今年6月、スウィフトの過去アルバムの原盤権を取得した。イサカ・ホールディングスは、スウィフトが昨年まで所属していたビッグマシン・レコードを、3億ドルで買収したという。
買収によりイサカ・ホールディングスは、スウィフトの過去のアルバムのマスターを入手した。しかし、ここで重要なのは同社が取得したのが、オリジナルのマスター音源のみであり、歌詞や楽曲そのものの権利ではないことだ。
スウィフトは楽曲を新たにレコーディングすることで、新たな音源を自身の管理下でリリースできる。彼女は15歳の時にビッグ・マシーン・レコーズと契約を結び、6アルバムを発表したが、同社との契約は既に終了している。
スウィフトは昨年11月にリパブリック・レコーズとユニバーサル・ミュージック・グループと契約を締結しており、新たに録音した楽曲は、彼女の管理下でリリースされる見通しだ。古い録音のヒット曲を聴き続ける人もいるだろうが、新バージョンが注目を集めることは確実だ。
楽曲の再録音により、アーティストが曲の権利を取り戻す動きは過去にもあったが、スウィフトほどの大物がこの手段に出るのは異例のことだ。たたし、新バージョンがいつリリースされるかの目処は立っていない。スウィフトは新アルバムの「Lover」を8月23日にリリースし、年内はそのプロモーション活動に全力を注ぐ見通しだ。
さらに彼女が出演するミュージカル映画「キャッツ」の公開も、今年の12月に予定されている。