芸能事務所を辞めて、起業の道へ。山賀琴子が選んだ「選択肢を広げながら生きる」こと


北海道に戻り、見つけた「自分の原点」

今年の4月にアクセサリーブランド「ENELSIA」を立ち上げていますが、実は事務所を辞めた後、具体的に何をするか全く決まっていませんでした。とりあえず時間に余裕ができたので、実家に1カ月間帰ることにし、ひたすら自然や犬と戯れながら、自分のやりたいことを見つけるために、過去を振り返ってみたんです。

昔からものづくりに興味があり、実は小さい頃、ブランドのデザイナーになりたいと思っていた時期があって。小さい頃のスケッチブックには下手くそですがドレスの絵がたくさん描いてありました。大人になった今は洋服よりも毎日つけられるようなアクセサリー作ってみたい。

その思いがどんどん強くなり、あの頃は周りの友人にどんなアクセサリーを作りたいかよく話していました。そういう話をしていたら、「友人を紹介するよ」と一緒にアクセサリー作りに取り組んでくれる人を紹介してくれて、3人のチームができました。ENELSIAの構想は2018年の秋くらいから動き始めていたんです。

事務所を辞めてから2カ月くらいで、次の取り組みが始まっていった。私は「これやってみたいかも」と思ったら、すぐに動く性分。猪突猛進なんです。今回は人の縁に恵まれていて、同じ志を持った人たちが集まった結果、今年の4月にブランドをオープンできました。

ENELSIAというブランド名は、私が“縁”という言葉がすごく好きなので、「縁を得る幸せ」でエネルシアという造語からつけました。一番最初のラインは、縁という言葉を具現化したときに「結ぶ」という形が一番良いと思い、日本の伝統的な紐の結び方や縁結びの模様などを調べ、そこからインスピレーションを受けて、デザインを作っていきました。

6月に東京でポップアップを開催し、7月に大阪でポップアップを開催したのですが、最初は自分の集客力がわからず、30人くらいしか人が来ないと思っていたんです。ただ蓋を開けてみれば、東京には2日間で600人、700人が足を運んでくれて。想像していたよりもENELSIAのコンセプト、商品に共感してくれる人が多く、すごく嬉しかったです。



まだブランドを立ち上げて3カ月ですが、もっと商品数を増やしていきたいですね。その上でなるべく和の雰囲気を出していけるようにしたい。

私はすごく日本が好きですし、商品は全部の日本の工場でつくっているので、ENELSIAのアクセサリーを通じて“日本”を感じてもらいたいです。
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構成=新國翔大 写真=小田駿一

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