芸能事務所を辞めて、起業の道へ。山賀琴子が選んだ「選択肢を広げながら生きる」こと

アクセサリーブランド「ENELSIA(エネルシア)」を展開する山賀琴子


一度は断った芸能界の道。それでも……
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周りからの応援もあり、「ミス青山コンテスト2015」でグランプリをいただくことができました。その後、約10社の芸能事務所からスカウトしていただいたのですが、当時は芸能界で仕事するイメージを全く持てていなくて……。正直、「芸能界は怖い」という印象があったので、その場では「興味ありません」とお断りしたんです。

ただ時間が経つにつれ、「具体的な話も聞かずに断ってしまったのは勿体なかったんじゃないか」とも思うようになっていて。

そこから1カ月半くらい経ち、ちょうど大学3年生で卒業後のキャリアを考えるタイミングで、就活はどうするか、今後の人生をどうやって生きていくか。そんなことを悶々と考えていた頃に、再度研音から連絡があったんです。
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そのタイミングで声をかけてもらったことは縁があるではないか。そう思い、会って話してみたところ、最初に抱いたイメージとは良い意味でギャップがあったので、この事務所で挑戦してみたいと思い、大学4年生の4月に研音に入りました。

短期的な幸せか、長期的な幸せか

事務所に入り、演技の指導をしてもらった後、初めていただいた仕事がテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の堀内柚(ほりうち ゆず)役での出演でした。

初めてのテレビドラマで右も左も分からないまま撮影が終わったのですが、結果的に『逃げ恥』は社会現象になるほど話題となり、この仕事をきっかけにさまざまなテレビドラマに出演させていただけました。

2年半研音に所属し、有難いことにさまざまな仕事をいただき、素晴らしい経験が積むことができました。一方その過程で少しずつ、自分の“人生”という長いスパンで挑戦したいことは何かを考えるようになっていたんです。

仕事は楽しかったですし、刺激的な毎日でしたが、求めている幸せや働き方は少し違うのではないか。そんなことを考え始めたら、その考えがどんどん大きくなり、思い切って正直に事務所の社長に相談しました。

そうしたら社長が「山賀は自分のやりたいことに全力で取り組む生き方が合ってるかもね」と言ってくれたんです。その言葉に背中を押され、そのときに決まってた仕事をもって事務所を辞めることにし、2018年9月に研音を退社しました。


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構成=新國翔大 写真=小田駿一

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