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「作品を観てくれた誰かがどこかでハッピーになってくれて、自分に声をかけてくれる。その言葉が僕にとってはガソリンです」。TVドラマ「今日から俺は!!」で、幅広い世代に認知された伊藤健太郎は、この6月、22歳になった。いずれはハリウッドを目指すと涼やかに語り、一方で仕事のみならずチャリティー活動にも力を注ぐ彼は、人気俳優という枠を超え、日本のUNDER 30世代を代表するひとりになりつつある。


次代を担う若者にフォーカスする30 UNDER 30 JAPANと、未開拓の領域を切り開いて自ら指針となる者をMark Makerとして選定するモンブランによって、UNDER 30世代からMark Makerに選ばれた伊藤健太郎。あわせて2019年度の30 UNDER 30 モンブラン特別賞を受賞する彼が、役者として仕事をすること、若い世代として生きることについて、ストレートに語る。

謙虚と冷静、その裏の熱

「役柄を与えられたら責任があります。自分が演じる役を観た人に何らかの影響を与えるわけですから。ファンの方たちと話ができる機会があったとき、“自分は病気だけれど、僕の出ているドラマを糧にしていて、医者に言われた余命の日数を超えました”と話してくれる方がいて、いい加減な気持ちで演ってちゃ駄目だなと、あらためて痛感しました」と、2017年「アシガール」の若君役から得た思いを語る。

2018年にオンエアされた「今日から俺は!!」は、1980年代のツッパリ高校生たちが主役のドラマ。当時を知る年齢層はもちろん、20代・30代、そして小・中学生まで幅広い世代から支持される作品となった。



一見、能天気なコメディなのに、実のところ脚本も演出も高度に練られた傑作で、俳優陣の演技も例外ではない。主演の相棒役を演じた伊藤も、硬軟とりまぜた達者な芝居で“30年前の若者”像をコミカルに、かつリアルに浮かび上がらせ、一躍、注目を集めた。

当の伊藤は「今日から〜」で世に広く認知されたことを「すごくうれしい」としつつ、「まだ周りの評価に自分が追いついていません。『俺でいいのかな?』という気持ちで、自分のことなのに自分のことじゃないように思えてしまう」と、謙虚であり、また、どこか冷静でもある。

「よく器用貧乏だと言われてきました。たとえばバスケでもサッカーでも『できるように見せる』ことは苦手じゃなくて、それは役者になった後はむしろ強みでもあるんですが、それがゆえに、『できるように見せる』以上にやってやる! という気持ちになかなかなれなかったんです。考えてみたら、これまでで唯一『できない!』と感じたのが芝居で、だからこそ芝居にハマったのかのかもしれません」

「『本番!』という言葉には不思議なパワーがあって、この声がかかると、くしゃみや咳すらピタリと止まるほど身体が役に切り替わるんです。プレッシャーというのはありません。ゼロと言ったら嘘になるけれど、でも、ほぼない。仕事が好きなんで」

レッドカーペットを歩いた時、「ここに来るぞ!行かなきゃ」と

伊藤は、仕事を離れたところでも、大の映画ファンだ。そんな伊藤から、尊敬する俳優として最初に名が挙がったのはスペインの名優、ハビエル・バルデム(50)。

「『ノーカントリー』(07年)がすごく好きなんですが、ああいうハードな殺し屋の役もできれば、『それでも恋するバルセロナ』(08年)ではペネロペ・クルスとキスばっかりしている画家も演れる。最初は同じバルデムだとわからなくて、気づいたときには『すげー!』と(笑)」

バルデムは『ノーカントリー』で米アカデミー助演男優賞を獲り、今やハリウッド・スターだ。後を追う気はあるかと尋ねると、「もちろんです!」。

「『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のワールド・プレミアに参加させてもらってレッドカーペットを歩いたとき、「ここに来るぞ!」「いや行かなきゃ!」と思いました。もちろん、その前に日本で土台を固めてからじゃないと崩れてしまいますが、土台固めができたら次のステップとして」


感謝」|今回、30 UNDER 30 モンブラン特別賞に選ばれた伊藤は「一番忘れちゃいけない言葉」として【感謝】を選んだ。この2文字を揮毫するのに用いたのはモンブラン限定版作家シリーズの新作〈ラドヤード・キップリング〉。そのキップリング作品が原作の映画「ジャングル・ブック」(2016年)は大好きな映画の一本だという。

自然に湧き上がったのは、これから自分が携えていく言葉

仕事以外では「寝るときと、おいしいものを食べているときが幸せ」なのだが、もうひとつ、最近「いつも頭のどこかにあって『また何かできないかなぁ』と考えている」のが、チャリティー活動だ。

著名人が自分への誕生日を契機として募金などを呼びかけるBirthday Charityに賛同している伊藤は、西日本豪雨で被災した岡山県の児童擁護施設などにチャリティで集まった支援金500万円を寄付。「今日から〜」人気が盛り上がっていた昨年12月には自ら2カ所の施設を訪れてもいる。

「子供たちにクリスマスプレゼントを渡しに行ったのですが、逆に僕の方がもらうものが大きくて……。彼らは朝、目が覚めると友達がいて、職員さんがいて、ご飯があって、それが幸せだというんです。それを聞いて、自分の考え方まで変わる部分がありました」

今後は「参加してくれる人をもっと増やしたい。まずは日本で、ゆくゆくは世界へ、拡げていきたい」と考えており、そうしたアイディアを同世代に明かすと、「みんなすごく共感してくれます、『あっ、わかる!』って」。

私たちが今、伊藤を通じて目撃しているのは、新しい世代からの新しいスターの誕生だ。



【Mark Makers】
「Mark Maker」とは、高い感度とオープンなマインドセットを持って、自らの道を切り拓き、揺るぎない足跡を刻んだ人、または刻もうとしている人。30UNDER30 JAPAN2019公式スポンサーとして迎えたモンブランとForbes JAPANが選ぶ6人からの言葉。



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Promoted by Mont Blanc Japan text by Hiroyuki Okada photographs by Kei Ito

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