米フォーブスが選ぶ世界の「ブロックチェーン50社」(前編)


FACEBOOK(フェイスブック)


マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック)

拠点:メンローパーク、カリフォルニア州
ブロックチェーン・プラットフォーム:不明

2018年1月、マーク・ザッカーバーグCEOは、このソーシャルメディアの巨大企業が仮想通貨の可能性について研究しているとの年次報告を開示。同年5月には元ペイパル社長でコインベース取締役であったデビット・マーカスを、メッセージング担当副社長からブロックチェーンとそのアプリケーションの可能性を探るチームのトップに異動させた。

今年2月、ザッカーバーグはハーバード大学法学部のジョナサン・ジットレイン教授に対して、ユーザーがウェブサイトへログインする際にフェイスブック・コネクトに代わり、ブロックチェーンに基づくIDを使うようにすることに関心があると発言。フェイスブックがそのユーザー情報から収益を生む方法に、大きく影響する可能性も。

DTCC(DTCC)

拠点:ジャージーシティ
ブロックチェーン・プラットフォーム:Axcore

130カ国以上との取引がある世界最大の証券保管振替機関(有価証券を集中的に保管し、その受け渡しを券面でなく口座間の振替によって処理する機関)。10兆ドルに上る信用デリバティブの情報がDTCCで保管されているが、そのうち約5万口座の記録がAxCoreという特注のデジタル台帳に移行される予定。

FIDELITY(フィデリティ)

拠点:ボストン
ブロックチェーン・プラットフォーム:Bitcoin、Ethereum

米資産運用大手は、2018年10月にデジタル資産市場への参入を発表。子会社「フィデリティ・デジタル・アセット」を設立し、機関投資家向けのカストディ業務(投資家に代わり有価証券を保管・管理する業務)を提供し始めた。今年2月にはブロックチェーン関連のデータ分析企業、コインメトリクスに出資。

FOXCONN(フォックスコン)

拠点:台北、台湾
ブロックチェーン・プラットフォーム:Ethereum

電子機器の受託製造(EMS)で最大手の企業グループ。アップルのiPhoneをはじめ、数多くの世界的企業の製品を製造。サプライチェーンの取引を効率化・供給業者へ運転資金を提供する、ブロックチェーンを用いたプロジェクトが進行。また子会社がブロックチェーン・スマートフォン、FINNEYを生産。

GOLDEN STATE FOODS(ゴールデンステートフーズ)

拠点:アーバイン、カリフォルニア州
ブロックチェーン・プラットフォーム:IBM Blockchain

大手ファストフードチェーンに供給する、1947年創業の食品業者。「IBMフード・トラスト」に参加し、ハンバーガー事業にかかわる食肉加工業者から配送会社まで、牛肉の保管温度のストリーミング・データへアクセスできるようにした。食品の安全性を高めると同時に、食品廃棄やペーパーワークを減らせる可能性も。

GOOGLE(グーグル)

拠点:マウンテンビュー、カリフォルニア州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Bitcoin、Ethereum、Bitcoin Cash、Ethereum Classic、Litecoin、Zcash、Dogecoin、Dash

ブロックチェーン関連の企業へ数多く投資しているグーグル。そのひとつがVeemだ。同社はビットコインを仲介資産として使い、企業が即時に異なる通貨で支払いの送金と受領をできるようにしている。一方でこの検索における巨大企業は、パブリック・ブロックチェーンを簡単にググるツールのセットを作り出した。

HPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)

拠点:サンノゼ、カリフォルニア州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Corda、Ethereum、Quorum、Sia、Hyperledger Fabric

2015年にヒューレット・パッカードから会社分割。エンタープライズ向けにITソリューションを提供、2018年度の売り上げは約310億ドル。同社と自動車部品大手の独コンチネンタルは、ブロックチェーン技術を使った車両データの共有プラットフォームを立ち上げた。ドライバーの安全・利便性の向上を目論む。

HTC(HTC)

拠点:桃園、台湾
ブロックチェーン・プラットフォーム:Bitcoin、Ethereum

台湾の携帯端末メーカー大手。同社はブロックチェーン・スマートフォン「Exodus 1」を発売。ビットコイン、ライトコイン、イーサリアムなどの仮想通貨を安全に保管し、取引も容易に可能。さらに同製品では、ブロックチェーン対応のウェブブラウザ「Opera」を採用。当初は仮想通貨のみ購入可能だった。

ING(ING)

拠点:アムステルダム、オランダ
ブロックチェーン・プラットフォーム:Corda、Quorum、Hyperledger Fabric、Hyperledger Indy

世界40カ国以上で展開するオランダの金融大手。同社は早くからブロックチェーンの可能性を探るべく専任チームを創設。2018年3月には米大手ブロックチェーン開発企業のR3のプラットフォームを利用し、クレディ・スイスとの有価証券取引に成功。ブロックチェーン技術のベンチャー企業への投資も行なっている。

(後編)

編集=マット・シフリン 報告=マイケル・デル・カスティリョ、ジェフ・カフリン、サラ・ハンセン、クリスティン・ストーラー、 アレックス・ナップ、ジョナサン・ポンチアーノ、エイミー・フェルドマン、カーステン・ストラウス、ローレン・デッター、レイチェル・ウォルフセン、ダーリン・ポラック

この記事は 「Forbes JAPAN 社会課題に挑む50の「切り札」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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