ペットの写真から「個人情報流出」の危険、専門家が指摘

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愛するペットの写真を連日のようにSNSに投稿する人は多い。しかし、ウェブでシェアした写真から、プライバシー情報が盗まれる危険について知る人は少ないのが現実だ。

一体どのようなデータがペットの写真から流出するのだろう。まずあげられるのが、写真に添付された位置データだ。スマホで撮影した写真には、デフォルト状態でGPSのロケーション情報が添付されている。写真を投稿する際には、位置情報の共有を停止しておくことが必須といえる。

さらに、ペットの名札に記載されたオーナーの住所や電話番号などが悪用される危険も大きい。これらの個人情報をウェブ上で入手すれば、特別なスキルを持たない人物でも簡単に悪用が可能になる。

自分の個人情報を見知らぬ他人に、喜んで渡したいと思う人はいないだろう。しかし、テック記者のDell Cameronによると、ツイッターの投稿をスクロールするだけで、あっという間に住所や電話番号が記載された写真が見つかったという。

Cameronの元同僚のBrian X. Chenは、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事で、電話番号さえあれば膨大な個人データを盗み出すことが可能であると指摘した。

Chenがセキュリティ研究員のEmre Tezisciに自分の電話番号を渡したところ、TezisciはすぐにChenのフルネームや誕生日、現住所を割り出した。さらに、彼の両親や兄弟、いとこの名前まで正確に突き止めたという。また、彼の以前の住所や、昔の携帯電話の番号も簡単に入手可能になっていた。

Tezisciが分析に用いたのは誰でもアクセス可能なウェブ上のデータベースで、1時間もかからず膨大な個人情報が把握できたという。様々なサイトのプライバシー情報を統合したデータベースが、月額5ドルで利用可能になっているのだ。

これらの情報を悪用すれば、パスワードを再設定してアカウントに侵入したり、SIMカードを乗っ取り、フィッシング詐欺を行うことも可能になる。

電話番号をウェブ上で公開する行為はやめるべきだ。さらに、電話番号から個人の特定を防ぐための便利なサービスとして紹介したいのが、米国とカナダ限定で利用可能な「Burner」だ。このサービスは現在使っているスマホの電話番号とは別の、サブの電話番号を利用可能にするもの。

Burnerから入手した電話番号は、プライバシーを保護しつつ気軽にシェアすることが可能だ。ペットの名札に記載する電話番号を、こういったサービスから入手したものにしておくのも得策かもしれない。

編集=上田裕資

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