李嘉誠が設立したCKアセット・ホールディングス(CKA)は、1799年創立のグリーン・キングに32億8000万ドルを支払い、23億1000万ドル相当の負債を引き受けることが、ロンドン証券取引所への提出書類で明らかになった。
CKAの関連会社のGeorge Colin Magnusは、「グリーン・キングは英国のカルチャーにおいて重要なポジションを占め、強固なビジネスモデルを築いている」とコメントした。グリーン・キングはパブチェーンを展開すると同時にビール醸造所を運営し、不動産ビジネスにおいても成長が見込めるという。
グリーン・キングは英国全土で3100店舗以上を運営するパブ業界の大手で、レストランやホテルも保有している。ロンドン証券取引所に上場する同社の株価は、買収の報道を受けて50%以上値上がりした。
グリーン・キングCEOのニック・マッケンジーは、英国での投資経験が豊富なCKAによる買収を歓迎し、「彼らとはビジネス哲学を共有できる」と述べた。
李嘉誠は2018年5月にCKハチソンホールディングスとCKアセットホールディングスの会長職を引退し、後継者に長男のビクター・リーを指名した。フォーブスの推定で277億ドルの資産を保有する李嘉誠は、その後もCKグループの相談役を務めている。
今回の買収は、英国の飲料業界における最新の大型案件となった。日本のアサヒグループHDは今年1月、ロンドンのFuller’s社が保有するプレミアムビール・サイダー事業を約368億円で取得していた。また、オランダのハイネケンは2017年に英国のパブチェーンのパンチ・タバーンを21億ドルで買収していた。