72%の作業代替を実現。宇宙用の作業代行ロボット、開発元が約4.4億円の資金調達

GITAIが開発する宇宙⽤作業代替ロボット

ジェフ・ベゾスが設立した「ブルーオリジン」をはじめ、イーロン・マスクが率いる「スペースX」やリチャード・ブランソンが設立した「ヴァージン・ギャラクティック」、そしてホリエモンこと堀江貴文が創業した「インターステラテクノロジズ」など、民間企業が参入したことで競争が激化している宇宙開発。

こうした競争の激化に伴い、需要が高まっているのが宇宙での作業だ。民間企業の参入のほか、ISS(国際宇宙ステーション)に代表される地球低軌道宇宙ステーションは、ISSの商業化が検討され、⽶国⺠間企業を中⼼に宇宙ホテルや科学実験⽤宇宙ステーションなどの商⽤宇宙ステーションも複数建設中であり、需要が急増している。

需要は高まっているものの、作業を行う宇宙飛行士の費用は非常に高い。1時間当たり5万ドル(約550万円)もかかると言われており、1日で1億円を超える。費用の8割で、宇宙での作業は宇宙放射線があり、ずっと滞在すると発がんリスクが閾値を超えてしまうため、地球と宇宙を行ったり来たりしなければならない。そのためコストが高くなっている。

現在、人間が行っている宇宙での作業を「ロボットが代行すればいいのでは……」と考え、宇宙⽤作業代替ロボットを開発しているのがGITAIだ。

同社は8月20日、Spiral Ventures Japan、DBJ Capital、J-Power、500 Startups Japan(現Coral Capital)から約4億4000万円の資⾦調達を実施したことを明かした。2016年9月にSkyland Venturesから1500万円、2017年12月にはANRIと500 Startups Japanから1億4000万円を調達している、累計調達額は約6億円となった。

今回のラウンドでの調達について、GITAI CEOの中ノ瀬 翔は「現在協議中の複数の投資家・事業会社様を主な引受先として、年内を⽬処に追加で調達することも検討しており、その場合の累計調達額は最⼤10億円規模になる⾒込み」とも語った。

今回、調達した資金は宇宙⽤作業代替ロボットの開発費、および2020年末に予定している国際宇宙ステーションへの実証実験機の打ち上げ費⽤に使う予定だという。
次ページ > 悪く見えて良いアイデアに可能性を見出す

文=新國翔大 写真=小田駿一

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事