ウォルマートは8月15日、2019年第2四半期(5~7月期)の決算を発表。既存店売上高が前年同期比で2.8%、オンライン売上高が同37%増加したことを明らかにした。同社の米国でのトランザクション数はこれで、19四半期連続で増加したことになる。最高経営責任者(CEO)の発言からも、同社が今後に明るい見通しを持っていることは明らかだ。
これらはウォルマートが見事な再起を遂げたことを示すものだ。そして同時に、アマゾンにとっては悪いニュースだ。
米バンヤンヒル・パブリッシングのシニア株式アナリスト、ジェフ・ヤスティンはこうしたウォルマートの変化について、2017年にオンライン小売サイトのジェット・ドット・コム(Jet.com)を買収し、幹部らを自社に迎え入れたこととの関連性を指摘している。ウォルマートはその後、現在に至るまでオンライン販売による売上高を急速に伸ばしてきた。
また、その他の小売大手もアマゾンに対抗する手段として、ウォルマートと同様の戦略を立ててきた。ヤスティンによれば、「小売業界ではもはや、賢く運営されている大手のレガシー企業はデジタル分野でも負けていない。つまり、アマゾンが何にも妨げられずに成長できる時期は、ほぼ過ぎ去ったということだ」。
ヤスティンはまた、次のように述べている。
「それを示す良い例が、(ミネソタ州)ミネアポリスに拠点を置く小売大手ターゲット・コーポレーションだ。同社は2011年までオンライン販売にほとんど関心を持たず、実際のところ、その業務をアマゾンに委託していた」
「だが、数年前から倉庫や倉庫ロボット・システムへの投資を開始。店舗をeコマース用の倉庫として利用する“店内フルフィルメント・システム”を他社に先駆けて独自に開発するまでになった。このシステムにより、ターゲットはアマゾンと同様、多くの商品を即日配送することが可能になった」