すでに、AIを搭載した見守りカメラというコンセプトが広がりを見せている。画像認識技術でペットを追跡し、その姿をスマートフォンなど遠隔で確認できるようにしてくれるというものだ。
東京電力エナジーパートナーの「ペットみるん」などが、代表的なサービスとなろう。同サービスは、ディープラーニングを活用してペットが映っている部分だけを抜き出して撮影してくれる。
ペットの健康管理にAIを使おうとする製品もある。シャープのネコ用トイレシステム「ペットケアモニター」は、猫の尿の回数や量、尿に要した時間、体重などを計測。AIで解析結果を算出し体調管理を効率化する。
ペット産業におけるAIの実用例は、他にも多彩だ。現在、行方不明者・失踪者の捜索に人工知能(AI)を有効活用しようという実験的な試みが世界的に広まっているが、それをペットに応用しようという動きがある。リクルートテクノロジーズや、中国のAIスタートアップ・Megviiは、鼻のしわ(鼻紋)から特定の犬を識別する認識システムを開発。すでに実証実験や実用化にいたっている。
韓国では「チキョジュルケ」(日本語で「守ってあげる」の意)というペット捜索アプリが登場した。韓国では、保健所に保護されたペットは10数日で殺処分となる。いかに早急に見つけることができるかがペットの生死を分けることになるのだが、同アプリではそのような課題解決が目標として掲げられている。
使い方はいたってシンプルだ。飼い主が失踪した犬の写真を投稿するとデータベースに保管される。一方、ペットを保護した人が写真を撮影して投稿すると双方のデータがマッチング。飼い主側に通知がいくという仕組みである。
ちなみに韓国では「Animal GO」というAIを取り入れたペットSNSサービスもある。ユーザーが写真をアップロードすると、血統や年齢など自分のペットに関する科学的根拠に基づいたデータ資料を提供してくれるという。また、排便の写真をUPロードするとAIが自動的に健康状態をチェックしてくれるという機能も搭載されている。
いわゆる「ペットテック」(ペット+テクノロジー)市場は世界的にも拡大傾向にあり、一部、投資家たちからも高い関心を集めている。今後、AIを使ったどのような新サービス・製品が登場するか注目したい。
連載:AI通信「こんなとこにも人工知能」
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