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Jenson / shutterstock.com

米国の州知事高速道路安全協会(GHSA)は今年2月、2018年の交通事故による歩行者の死者数が過去28年で最悪になったと報告し、背景には大型のSUV(スポーツ用多目的車)の人気があると指摘した。

英国の運輸当局が先日発表したデータでも、類似した傾向が確認された。イギリス運輸省(DfT)でポリシー担当を務めるAdam Reynoldsによると、特定のサイズの車両が引き起こす歩行者の死亡事故件数は、他の車種の約2倍に達しているという。

Reynoldsはリーズ大学の研究チームと共同で、交通事故死者数のデータを精査した。英国政府は交通事故データをSTATS19と呼ばれる書類にまとめている。そこには車種に関する情報はないが、エンジンの排気量に関するデータは記載されている。研究チームは排気量から車種を推定したデータを公開し、1979年以降に発生した自動車事故の位置情報や車種、死亡者数を分析した。

その結果、運輸当局は今後、危険な車両を道路から排除する試みを進める必要があることが判明したという。今回の調査結果は車種ごとの事故率を示しておらず、SUVが特に危険であるというデータはない。しかし、1.8リッターから2リッターエンジンの車両の致死率が2%であるのに対し、それよりも小型の車両の致死率は1.4%だった。さらに、より大型の2〜3リッターの車両の致死率は2.4%となっていた。

「車両のサイズと致死率の間に相関関係が見られる」とReynoldsは述べた。「DfTや警察は今後、歩行者の死亡件数と車両のデザインや排気量との関係を調査すべきだ」と彼は続けた。

「車高が高く重厚感のある車両をアピールする自動車メーカーの試みが、死亡事故の増加を招いている可能性がある。仮に、SUVの致死率が他の車両の2倍に及んでいるのが事実なら、当局は都市部でのこれらの車両の所有や販売の規制を検討すべきだ」とReynoldsは続けた。

米国のGHSAは今年2月、米国で2018年に交通事故で死亡した歩行者数が6227人に上り、1990年以降最多を更新したと発表した。GHSAは、SUV関連の事故で死亡した歩行者数が、2017年は2013年と比べて50%増となったと述べていた。一方で、よりサイズの小さい乗用車による死亡事故件数の伸びは30%だった。

GHSAの調査に協力したアナリストのRichard Rettingは「交通当局は歩行者の安全性について十分考慮すべきだ」と述べた。

編集=上田裕資

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