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MOHAMED ABDULRAHEEM / shutterstock.com

米サンフランシスコ国際空港では8月20日以降、ターミナル内のレストランや小売店でのペットボトル入り飲料水の販売が禁止される。同空港によれば、これは「プラスチック汚染とプラスチックのリサイクル市場が崩壊したことに対応するための取り組みの一環」だ。

中国は2018年1月、汚染された廃棄物が国内に大量に流入し、環境を危険にさらしているとして、使用済みプラスチックの輸入を禁止した。それまでは、回収されたプラスチックごみのうち欧州連合(EU)諸国からは95%、米国からは70%が中国に送られ、再処理されていた。

また、米国では6カ月ほど前から、処理にかかる費用が急騰。多くの処理施設が複数の種類のプラスチックの受け入れを中止した。それによって地方や小規模な自治体は、非常に大きな打撃を受けている。多くは回収した廃棄物の仕分けをやめ、リサイクルできる素材を埋め立て処理している。

つまり、もはや世界全体で毎分100万本近くが販売されるペットボトル入り飲料水が環境に与える影響を軽減するためのシステムが存在しないにもかかわらず、消費者はそうした製品の便利さを手放そうとしていないということだ。

国際飲料協会によれば、(最新の公式記録によると)2016年には128億ガロン(約4850kl)だったボトル入り飲料水の販売量は、翌2017年には7%増の137億ガロンとなっている。

熱望される「新たな選択肢」

深刻化するこの危機に対応するため、米オール・マーケット(AMI)は6月、海洋環境の保全に取り組む非営利団体、ロンリー・ホエール(Lonely Whale)と共同で開発した精製水「エバー・アンド・エバー(Ever & Ever)」を発売した。ボトルには、何度も再利用することが可能なアルミニウム製を採用している。

ココナッツウォーター「ビタココ(Vita Coco)」やエナジードリンク「ルナ(RUNA)」を販売するAMIのマイク・カーバン最高経営責任者(CEO)は、環境問題関心を持つ消費者にパッケージの面でも新たな選択肢を提供することは、非常に理にかなったことだと語る。

同社の最高マーケティング責任者(CMO)であるジェーン・プライアーによれば、「消費者からの反応は非常に肯定的だ」。プライアーは、「消費者はより良い選択をしたいと熱望している。だが、彼らには簡単にそうした選択ができる方法が必要だ」と述べている。

一方、サンフランシスコ国際空港がペットボトルを禁止したことについては、利用者の間では意見が分かれている。これまでの習慣を捨てられない、または捨てたくない人たちは、禁止に猛反対している。Ever & Everは、使い捨てのボトル入りの飲料水の手軽さを失いたくない人たちに、「中間的なステップ」を提供するものとなるだろう。

プラスチックの代替素材としてのアルミニウムは、使い捨てのボトルを利用する飲料業界にとっては胸が躍るようなものだ。再利用するたびに分解するプラスチックとは異なり、何度でも繰り返しリサイクルすることが可能だからだ。

アルミボトルは廃棄されてから60日以内に、再び商品として店頭に陳列することができる。さらに、世界中で生産されるアルミニウム製品の約60%は再利用されている。

従来のペットボトルと比べ、アルミボトルはかなり高価だ。大企業は生産における課題に直面しており、短期間のうちにアルミボトルの利用へと大きく舵を切ることはないだろう。だが、それでもAMIは、Ever & Everボトルが「表明した意思」に沸き立っている。

編集=木内涼子

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