VRの次は? リアルとバーチャルを融合させることが可能な「XR」の可能性

エンハンス代表 水口哲也


水口:リテラシーが求められる分、より人間を強くしていくでしょう。そしていろいろなものを露呈 していくでしょう。テクノロジーと人間の関係も激変するでしょうね。個人的には、人類にとってポジティブな側面を提案し続けたいと考えています。

武田:ここまでお話を伺って、人間の身体はどうなるのかと思ってしまいます。VRの視覚や聴覚を体験し、脱身体的だと感じました。身体の制限が抜けることは、肉体から意識が抜けることとニアイコールではないでしょうか?

水口:確かに、脱身体的な体験は増えるでしょうが、同時にそれは意識拡張でもあります。VRからXRの時代に移行すると、いずれ意識は身体に戻ってきます。今のVRはその準備期間だと考えています。

武田:軸足を置くべきなのは、拡張現実のXRということですか?

水口:はい。個人的にはそう考えています。5年後くらいから社会実装が始まるのではないかと。

武田:量や質の具体的な物量も、XRのテクノロジーを使えば、相手に伝えることができるということですか?

水口:ARやMRは現実の中にいろいろ 顕在化できますから、質量や物量の「すごさ」を伝えるのは、むしろ向いているでしょうね。

武田:それは、素晴らしい! 私が代表を務めるクオンは、消費者コミュニティを作り、そのコミュニティ内の動向をデータ分析することによって、消費者の本当の声を企業に届けマーケティングに使っていただく、といった活動をしています。経営者の方や担当者の方にデータサイエンスでの報告をする際など、XRを使ったらもっと伝わるんじゃないか、と思ってるんですが。

水口:ぜんぜん難しいことではないですよ。

武田:これ本当にやりたいんですけど…。

水口:いつでもアドバイスしますよ。

武田:ありがとうございます!

(※)ムーアの法則1965年にインテルの創業者のひとりであるゴードン・ムーアが発表した論文。「半導体の集積率は18カ月で2倍になる」という半導体業界の経験則を指す。

連載:“絆”の進化論 / 企業の遺伝子
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文=武田隆

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