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0歳からの「お金の話」

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「人生100年時代」という言葉を耳にする機会も増え、金融庁の「老後資金2000万円不足」レポートなどもあって、資産運用に少しずつ興味を持ち始める人が増えている。NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)など資産運用に関する税制優遇の仕組みも整備されてきたことも要因だろう。また、金融機関の企業努力や、FinTech企業の登場も追い風になっているのかもしれない。

このように投資を取り巻く環境が整ってきたとすると、最後に求められるのは投資家サイドのリテラシー向上だ。今回は子どもの発想力を伸ばすことで、同時に投資力も伸ばす方法を共有したい。

思考にワンクッションを挟ませる

ある日、仕事部屋で原稿を書いていると、「お父さん、ラーメンあげるー」と、娘がおもちゃのお椀を持ってきた。普段は「ありがとう」と言いながらお椀を受け取り、食べるふりをしてから子どもにお椀を戻して仕事に戻るのだが、なぜかその日は「他のメニューはないの?」と聞いてしまった。

子どもは不思議そうに「なんで?」と聞いてきたので、「ラーメンは好きなんだけど、最近は暑いから他のものが食べたいな」と答えると、暫くしてから「かき氷を作ってきたよ」と、またおもちゃのお椀を持ってきてくれた。

普段は何も考えずに、いつも通りラーメンを作って父親のところにおもちゃのお椀を持ってきた子どもが、「暑い」という条件を追加されることで、「暑い時は何を食べたくなるのだろう?」と考えて、「かき氷」という答えを導きだしてきた。この思考回路は投資においても非常に重要である。我々大人は成長していく過程で得た知識や経験を活かして、思考する時間を短くしているが、この思考回路の効率化が投資力を下げていると筆者は考えている。

風が吹けば桶屋が儲かる

筆者は「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉が好きだ。「風が吹く」と「桶屋が儲かる」という、一見関係のなさそうな現象も、起点と終点の間に起こっている事象を1つずつ見ていくと、意味が分かるからだ。風が吹くと砂埃が巻き起こる。これは意味が分かる。砂埃が起こることで、目が不自由になる人が増える。そうすると、三味線の需要が高まっていく。(昔は目が不自由になった人が三味線で生計を立てることがあったようだ)。そうなると三味線に貼る猫の皮が必要になるから、結果的に猫の数が減る。天敵の猫が減ることでネズミが増え、そのネズミが桶をかじるため、桶を買い替える人が増えるから桶屋が儲かる。「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉の起点と終点の間には、このような物語があり、投資力の高い人というのは、このような思考が出来る人が多いのだ。

ある事象を見て、過去の経験や知識を基に、「これはこうだ」と安直に判断するのは典型的な思考停止状態といえる。子どもは何を見ても、「あれは何?」、「どうして?」と疑問を持つが、この感覚を潰さずに維持し、更には向上させることが親には求められる。

文=森永康平

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