子どもの発想力を伸ばして投資力も伸ばそう

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誰も気づいていない動きを捉えよ

たとえば、今年は梅雨が明けてから日本全国で猛暑となっているが、少し前までは冷房が要らないほどの冷夏だった。このようなとき、「今日は暑いなぁ」とか、「今年の夏は涼しいなぁ」と思っているだけでは、そもそも思考回路が働いていない。「なんで冷夏なんだろう」と疑問に思ってその原因を調べていけば、「エルニーニョ現象」や「チベット高気圧」などを知ることになるかもしれないし、「猛暑だと経済にどんな影響が出るんだろう」と疑問に思えば、過去に猛暑だった年の「野菜の価格」や「品目別の家計支出」を調べることになるかもしれない。疑問を持った時に仮説を立てて、それを検証することで様々な知識が増え、発想力もともに向上していくのである。

夏休み真っ最中で、宿題の自由研究のテーマが決まっていない家庭は、このように夏に関することを調べてみてもいいかもしれない。筆者はなんとなく気になってしまい、過去のデータを全て分析したことがあるが、世間では一切取り上げられていないが、非常に興味深いデータをいくつか発見した。この記事を読んで、実際に自由研究でやってみようと思う方がいるかもしれないので、筆者が見つけた興味深いデータについては具体的に書かないが、今年は1993年以来の冷夏ということだったので、1993年と2019年のデータを比較して分析をしてみた、ということは報告しておこう。

この発見が何になるのか、という指摘があるかもしれないが、ポイントは「世間では一切取り上げられていない」ということだ。投資力とは、多くの人が気づいていないことを先に気付くことといえる。故に、子ども特有の「なんで?」という問いに対して、大人はうるさがらず、一緒に考えてみることが重要であり、更に言えば自らもあらゆるものに対して疑問を持てるようになりたい。

この能力はビジネスにも求められている

このような思考回路は投資にだけ役にたつものではない。ビジネスをするうえでは非常に役に立つ能力である。ゆえに、我が子には投資は危ないから自分の子どもには関係ない、と思うのではなく、ぜひ子どもの発想力を伸ばしてあげて欲しい。

子どもが何かに対して疑問を持ったのであれば、親は面倒くさがらずに教えてあげるべきだし、回答が分からないのであれば一緒に図書館に行って調べるようにして欲しい。そして、納得するまで調査と検証に付き合い続けてあげよう。そのことによって、疑問を持つことは悪いことではなく、疑問を持ったら追求していくという癖がつく。

成長をしていく過程で、積み重ねていった経験や知識を活用して思考を効率化していくことが通常であるからこそ、全ての物に問いを立て、自ら答えを見つけるクセがつくことによって、発想力、ひいては投資力が身に付くのである。

連載:0歳からの「お金の話」
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文=森永康平

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