「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」のエンタープライズ/コンシューマービジネス アントレプレナー部門のアドバイザーとして選考を行った千葉に、自身の20代を振り返ってもらい、挑戦するUNDER 30に対するメッセージをきいた。
シンプルな欲求が大きな原動力
20代前半のころは、お金を稼ぎたいという欲求が、かなり強かったのを覚えています。
僕が学生時代に通っていた慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)は、当時、最寄り駅まで出るのに小一時間かかるほど、交通の便が良くない場所にありました。そのため、お金が欲しくても、都会の大学生がやるような仕事はできませんでした。アルバイトに行くだけでも大変だし、田舎のわりに学生が有り余っていて、例えば、家庭教師をやろうとしても、過当競争があったんです。
そうはいっても、最新のPCは欲しいし、好きな女の子とデートに行くときはおごりたいと思うし、田舎なので当然、車も欲しくなります。自分が実現したいそれらをすべて満たそうとすると、年収1,000万円くらいは必要でした。そこから逆算して、どうやったら学校の単位をとりながら、それだけの収入を確保できるのか考えていました。
最初に始めた仕事は、学校の授業でも習っていたホームページ制作です。しかし、まわりの学生も似たようなことを思いつく状況で、すぐにその仕事はレッドオーシャン化してしまいました。そこで、誰もやっていなくて、付加価値の高い仕事をするべきだと考え方を変えました。
そして思いついたのが、当時、雑誌に付録されていたCD-ROMの制作を請け負うというもの。結果的に、これはうまくいきました。 お金儲けをしながら、自分の欲求を満たすことができ、そのうえ、自分がつくったプロダクトが社会から評価されてフィードバックを受けられる。僕にとってこの仕事は、一石三鳥くらいの価値があって、その後のキャリアに大いに役立ちました。