稼ぎたい、モテたい。シンプルな欲求で始まった年収1000万円への挑戦|千葉功太郎 #30UNDER30

Drone Fund代表パートナー、慶應義塾大学SFC特別招聘教授の千葉功太郎


自分の経験からも言えることですが、20代前半の働くモチベーションは、シンプルであるべきだと思っています。あえて下世話な言い方をしますが、「お金を稼ぎたい」「異性にモテたい」といった欲求は、本人を突き動かす大きな原動力となり得るでしょう。

そういう意味では、最近、IT企業の社長が、女優と付き合ったり、結婚したりしているのは、僕個人としては極めて良いことだと思っています。わかりやすいじゃないですか。お金が稼げて、女優とも結婚できるかもしれない、起業家という職業に対して、誰にでも道が拓けているわけですから。

もちろん、将来、起業家として大きく成長していくためには、事業の社会性などの要素が重要になってくることは確かです。でも、それは後からいくらでも学ぶことができるし、調整がきく話だと思っています。なので、出だしの働く理由は、原始的な欲求からのスタートでもまったく問題ないと思います。



ワンランク上の体験で欲求を刺激
むしろ、今のUNDER 30の人たちの大きな課題は、欲求があまりないことです。

ドローン・ファンドにアドバイザリー・ボードとして参画している尾原和啓さんが執筆した『モチベーション革命』という本では、そうした世代を「枯れた世代」と表現しています。生まれたころから便利なモノが周りに一通り揃っていて、比較的どの家庭も平和で、1食500円以内でそこそこ美味しいファストフードが食べられるし、家にネットさえあれば、旅行に行かなくても世界中の綺麗な景色や情報が手に入ります。

要は、あまり苦労しなくても、目的を達成することができる世代のことを指しています。 つまり、テクノロジーとサービスが進化しすぎたことによって、満足度が気軽に得られるようになってしまったのが現代の若者の特徴だと思うんです。

先ほど、僕は欲求に素直に生きることがチャレンジをする上で重要だという話をしましたが、20代の人たちには、第一歩として、欲求そのものをつくることから始めて欲しいですね。
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文=花岡郁 写真=小田駿一

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