「違和感」こそが、新しいチャンスを連れてくる|別所哲也 #30UNDER30

俳優 別所哲也

俳優 別所哲也

20代でハリウッドデビューを果たし、映画やドラマ、舞台に声優まで幅広い役柄で観客を魅了し続けている別所哲也。重厚な役柄も多いが、ラジオパーソナリティやバラエティ番組で見せる明るく知的な素顔も人気だ。

演者として表舞台の第一線で活躍し続ける一方、1999年から国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル」を主宰。さらに、東京国際映画祭やアジアフィルムアワードで審査員を務めるなど、国内外の多くのクリエイターたちや最新の作品に触れる機会も多い。

そんな別所が、30歳未満の次世代を担うイノベーターを選出する企画「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」のアート部門アドバイザーに就任。

彼はどんな風に演劇と出会い、どんなUNDER30時代を過ごしたのか。エールと共に語ってくれた。



ゼロイチ力に驚いたハリウッドの撮影現場

私が演劇の面白さに目覚めたのは、大学に入学してからのこと。英語劇サークルに入ったことで、演じるという表現の奥深さ、舞台に立つ面白さを初めて知りました。

それまでは、自分が舞台に立つなんて想像もしませんでしたね。高校3年間はずっとバレーボールに夢中でしたし、銀行員が多い家系に育ち、大学でも法律を学んでいましたから。

でも、演劇と出会って、表現することの面白さに魅了され、いつしか俳優を仕事にしたいと思うようになりました。英語劇をやっていたこともあり、俳優という仕事でいずれ国境を超えて、いろいろな国の人と繋がって行けるのではないかと思ったのです。

演じるということは、人間そのものを研究するのと同じこと。怒りや愛情、喜び、絶望、希望、裏切り、絆……そういう「人間くさい感情」をどれだけ自分のものとして表現できるかが勝負です。

その一方で、その感情が踊る舞台やストーリーには、変化していくその時代や社会のありようが色濃く映しだされるもの。人間の普遍的な感情と作品の時代性。その両方が結実する場所が演劇なんですよね。
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文=松崎美和子 写真=帆足宗洋

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30 UNDER 30 2019

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