ビジネス

2019.08.16

社会課題解決に挑む!日本のインパクト・アントレプレナー35 Part 3

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27. IoTで保育士不足に挑む
土岐泰之|ユニファ設立(2013年5月 )

保育園向けのフォトサービス「ルクミーフォト」、乳幼児の睡眠を見守り、うつぶせ寝など危険な状態になるとアラートが鳴る「ルクミー午睡チェック」、体温計と記録帳が連動した「ルクミー体温計」を展開。IoTを駆使した包括的な「スマート保育園」構想で、保育士不足や保育士の業務過多に挑む。サービスの導入保育施設数は2000カ所を突破している。17年10月に10.2億円を調達、従業員は74人。

28. 市民先生に学ぶ500の放課後プログラム
平岩国泰|放課後NPO アフタースクール(設立 2009年6月)



放課後の小学校を舞台に、さまざまな体験ができる学童保育サービスを提供。地域の大人やプロの講師らを「先生」に迎え、スポーツ・音楽・アート・料理・建築・遊びなど、子どもが自由に参加できるプログラムを開催している。ベンチマークは、国費で運営され社会のインフラとして確立しているアメリカのアフタースクール。

共働き家庭の子どもが放課後・長期休暇時の行き場を失う「小1の壁」「小4の壁」を解消し、子どもたちに安心安全な放課後を提供するとともに、地域や社会全体を巻き込んだ次世代育成を目指す。私立だけでなく公立の小学校への導入にも成功し、全国への展開を始めている。スタッフは282人(常勤82人)。

29. オンラインAI家庭教師
神野元基|COMPASS(設立 2012年12月)

子供向け、世界初のAI型タブレット教材「Qubena(キュビナ)」を提供するエドテックスタートアップ。AIがユーザーの得意・不得意分野を分析し、解くべき問題へと誘導。一方通行型の集団指導とは異なり、各人ごとにレベルとスピードが最適化された、より効率のよい学習が可能になる。伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、新生企業投資らが設立した「子育て支援ファンド」らからの調達累計額は8.6億円。

30. リアルポケモンで環境保全
藤木庄五郎|バイオーム(設立 2017年5月)



生物分布ビッグデータを用いて、環境ビジネスのプラットフォーム構築を目指す京大発スタートアップ。道端で見かけた動植物の写真を撮ることで、「いきもの図鑑」を充実させていくソーシャルゲームアプリを開発。珍しさに応じてポイントが加点され、貯まるとレベルアップ。他の利用者と競い合って楽しむ仕組みだ。

撮った動植物の名前を、AIが瞬時に教えてくれるのも楽しい。ゲーミフィケーションにより市民の環境への関心を醸成させながら、同社は大量の生物分布ビッグデータを収集。このデータを獣害や絶滅危惧種の調査、害虫の発生予測や環境アセスメントなどに活用することを目指す。「J-Startup」にも選定。本年2月に1億円調達。

31. 「学び直し」を包括サポート
安田祐輔|キズキ(設立 2015年7月)

不登校・中退・ひきこもり・うつ・発達障害・再受験など、もう一度勉強したい人のための個別指導塾「キズキ共育塾」を、都内・横浜・大阪で7校経営。生徒数は500人を超える。また、発達障害やうつ病などの精神障害で離職した若者の就労支援や、少年院での学習支援も行っており、「何度でもやり直せる社会」を実現するためのフレキシブルな学び直しの場を包括的に提供している。
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文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 社会課題に挑む50の「切り札」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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