ビジネス

2019.08.16

社会課題解決に挑む!日本のインパクト・アントレプレナー35 Part 3

.

「インパクト・アントレプレナー」──社会性(ソーシャル)と事業性(プロフィット)を高度に両立させている新しい起業家たちが生まれている。Forbes JAPANでは、アドバイザリーボードと編集部で「日本のインパクト・アントレプレナー35」を選定した。これからの社会、そして企業の新しいスタンダードをつくる彼ら彼女らを3回に分けて紹介する。(Part 1/Part 2はこちら)


23. 自分らしく働く。LGBT就職支援
星 賢人|JobRainbow(設立 2016年3月)



LGBTと企業の求人マッチング事業を展開。月間20万人、累計100万人が利用する日本最大のLGBT求人サイト「JobRainbow」では、300以上のLGBTフレンドリー企業の求人情報を比較・検索できる。同性パートナーシップが認められているか、性自認にあったトイレや更衣室が使えるかなどもひと目で分かり、それぞれのニーズに合った企業に応募可能だ。

またLGBTフレンドリー企業の合同説明会や企業向けのLGBT研修も運営。日本の人口の約9%がLGBTの当事者ともいわれ、企業は受け入れ環境を整えなければ人材採用の機会損失にも繋がる。研修などを通して環境整備を進め、誰もが自分らしくいられる場所の拡大を目指す。

24. ストレス社会に挑むEAPの旗手 
荻原英人|ピースマインド(設立 1998年9月)

メンタルヘルスケアプログラム「EAP(EmployeeAssIstance Program)」やストレスチェックプログラムの提供など、組織と従業員の抱えるメンタルヘルス課題を包括的にサポート。日本におけるメンタルヘルス予防市場をゼロから創出し、アジア地域EAPサービスのパイオニアに。臨床心理士・精神保健福祉士・産業カウンセラーなどが、世界200以上の国と地域で1000社80万人以上を支援。

25. 学生の奨学金を企業が肩代わり
高瀛龍(インロン)|Crono(設立 2018年7月)

日本初、奨学金返済を支援する企業と学生のマッチング事業。第一期生がこの夏に生まれる予定だ。学生が将来的にCrono加盟企業に入社・勤続することを条件に、奨学金の返済を企業が肩代わりする仕組みで、奨学金のあり方を大きく変えるポテンシャルをもつ。「奨学生の将来価値に基づいたファイナンス」を行うことで、教育機会格差を解消し、挑戦できる若者を増やす。

26. 日本のIT教育を全方位から底上げ
水野雄介|ライフイズテック(設立 2010年7月)



中高生向け、驚異のリピート率を誇る集中型ITキャンプおよびプログラミング学校を展開。カラフルなTシャツ、ワクワクする空間設計、熱狂できるアクティビティなど「楽しそう」を起点としたアプローチに工夫をこらす。生徒向けの活動だけでなく、全国の情報科の教師に向けて教材を無料公開するなど、全方位から日本のIT教育の加速と底上げに挑んでいる。

代表の水野雄介氏は、企業が上場する際、収益性だけでなく、事業がもたらす社会的なインパクトを提示する「ソーシャルIPO」を提言。利益と社会的インパクトの双方をベースに企業価値が決まる世界を見据えている。伊藤忠テクノロジーベンチャーズらから、累計調達額約10億円。
次ページ > 保育士不足の解決へ

文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 社会課題に挑む50の「切り札」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事