王の名前に恥じない、王のための酒|美酒のある風景

LOUIS XIII

Forbes JAPAN本誌で連載中の『美酒のある風景』。今回は8月号(6月25日発売)より、「ルイ13世」をご紹介。「王の名前に恥じない、王のための酒」たる由縁とは。


酒をテイスティングする際、しばしば「複雑性」という表現が使われる。

香り・味わいの中にいくつもの表情やニュアンスが見え隠れすることを表すが、一般にこの複雑性が高いほど優良とされ、いわゆる高級な酒は複雑性が高いことが多い。そしてその複雑性においては、まぎれもなくこの「ルイ13世」が最高であろう。なにしろそのひと口のなかに約250種もの香りとフレーバーが感じ取れるのだそうだ。マホガニーを思わせる琥珀の液体を唇に乗せれば、熟成感のある樽が心地よく香り、次にジャスミンやローズなど繊細なフローラルのノート、さらにジンジャーやナツメグなどのスパイシーなトーンがたちのぼり……そのめくるめく感覚は実際にお飲みいただく機会に譲るとして、この1本のデキャンタ(ボトル)の中にはもっとも古いもので100年前のものを含むオー・ド・ヴィー(原酒)がおよそ1200種ブレンドされていると聞けば、その重層的な香りと味わいを想像いただけるだろうか。

「ルイ13世」が誕生した仏南西部コニャック地方は古くからブドウの産地であり、地質などから6つの等級に区分されているが、「ルイ13世」はその中でも最上級であるグランド・シャンパーニュ産のブドウを100%使用。樹齢100年を超す樽で熟成させ、最後のブレンドののちに、さらに4年をかけて完璧にマリアージュさせて完成させる最高級のコニャックである。

また、この存在感を放つデキャンタは手練れのクリスタル職人11人の手を経て作られ、個々にシリアルナンバーが刻まれた逸品。百合の紋章をかたどったストッパーもデキャンタと同時にハンドメイドで製作されるため、ストッパーとボトルは貝合わせのようにピタリとはまり、開封後もクオリティを保つことができるのだという。まさに名実ともに王の名前に恥じない、王のための酒、それが「ルイ13世」だ。

LOUIS XIII ルイ13世

度 数:40度
容 量:700ml
価 格:315000円(税別参考小売価格)
問い合わせ:www.louisxiii-cognac.com

photographs by Yuji Kanno | text and edit by Miyako Akiyama

この記事は 「Forbes JAPAN 社会課題に挑む50の「切り札」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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