忙しさに執着する現代人 必要なのは心に耳を傾けること

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また、ヒューストン大学のブレネー・ブラウン研究教授は40万件以上のデータを対象に数十年調査を行い、「心をこめたリーダーシップ」や「心から周囲を率いる」ことの必要性を強調し続けている。彼女の最新刊である『Dare to Lead(思い切ってリードする)』でブラウンは、「私たちの人格がリーダーとしての率い方を決める」とし、プライベートと仕事で自分を分離しないことを強調している。

感情は単に「あったら良いもの」ではなく、士気やエネルギー、生産性に良い影響をもたらし、成功に導くものだ。

感情をビジネスとプライベートに取り込む

ラポートは長年の間、こうした視点からビジネスや私生活にアプローチしてきた。このプロセスを自身の生活に取り込み、そのメリットに気づいた彼女は2013年、『The Desire Map』を出版した。

「魂のある目標」を作るプロセスを通じて人々を導く同書は、10言語に翻訳され、15カ国以上でスケジュール帳やマルチメディア講座、人気のiTunesアプリ、ワークショップや指導プログラムに活用されてきた。

10人の中核チームを持つラポートの企業では、感情が文化に埋め込まれている。ラポートの願望マッピング(Desire Mapping)のプロセスの基本は、「自分が望む中核的感情(CDF)」を明確にすることだ。

ラポートのチームでは、CDFが文化の中心にある。彼女は常に「チームのCDFを可能にする環境を主導・管理・創造するにはどうすればよいか」と自問している。

企業の変革において文化は大きな要素だが、ラポートによると非常にシンプルな変化が膨大な影響をもたらすこともある。その起点となるのが、感情について話す意思を持つことだ。これは経営陣でなくとも、誰でも始められるものだ。

多忙さへの執着と燃え尽きの増加によって、人は自分の心と再度つながることを欲するようになっている。ラポートのウェブサイトは、人々が再び感情に戻れるよう導くための知恵にあふれており、毎月500万人以上が閲覧している。

全ての人が、目が覚めた瞬間に「自分はどう感じたいのか?」と自問し、そこを起点として先に進んだら、世界はどうなるかを考えてみよう。

編集=遠藤宗生

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