「宇宙戦争」が現実になる脅威、米仏が人工衛星の武装化へ

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「アメリカの宇宙システムは、これまで潜在敵国より技術的に優位だったが、潜在敵国は宇宙における能力を強化しており、危機や対立が生じたときに我々が宇宙を利用することを制限する方法を開発している」とトランプが署名した大統領令には書かれている。

筆者は先日の記事で、アメリカとNATOの衛星システムに脆弱性があり、クリティカルなデータが不正アクセスの被害に遭う可能性があると指摘した。衛星へのサイバー攻撃により、戦略兵器システムに大打撃を与えることが可能だ。

パルリ国防相は、「敵対的な行動が確認された場合、国際法のもとでは相応の反撃を行うことが許容される。国際法は自己防衛を除外せず、軍事化を禁止せず、武装化を妨げない」と述べている。

「憂慮する科学者同盟」の広報担当を務めるLaura Grego博士は、トランプ大統領が宇宙司令部の創設を指示したことを受け、「大統領は、宇宙を新たな戦闘の場と呼んだ。各国が宇宙兵器の開発を加速させ、衝突の可能性が増すのであれば、それは非常にまずいことだ」と述べた。

「衛星を守るには、より良い方法がある。一方的な方法や軍事的な手法では宇宙のセキュリティを確保することはできない。他国との協調や協力が必要であり、外交が求められる」とGrego博士は続けた。

月面着陸から50年が経った今、フランスの最新の動きは人類が宇宙での競争で、新たな局面に突入したことを示している。

編集=上田裕資

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