LGが「デュアルスクリーン」というコンセプトを打ち出すのが、V50と呼ばれるデバイスだ。この端末は先進性の面ではサムスンのGalaxy Foldや、ファーウェイのMate Xの足元にも及ばない。
しかし、実際に使用してみるとサムスンとファーウェイが実現しようとした利便性を体感することができる上、価格は両社の製品よりも格段に安い。
まず、LG V50単体の評価から始めよう。V50はV40のリリースから5ヶ月後に発売された端末で、V40の再利用版ともいえる。V50は、チップセットをSnapdragon 855にアップグレードしているほか、5Gに対応し、カメラモジュールを背面ガラスの下に搭載している。
しかし、大きなノッチは2018年初期のスマホを彷彿とさせるもので、古臭く感じる。このため、V50を単体で評価するのであれば高い点数は得られない。LGは、この点を理解しているからこそ、2つ目のディスプレイを加えたのだと考えられる。
V50は専用のアクセサリを用いて2台を連結させて、デュアルディスプレイを楽しむことができる。
デュアルディスプレイにすると、2つのアプリを起動することができる。同じアプリを2つのインスタンスで動かすことも可能だ。筆者はドキュメントをレビューする際、1つのディスプレイに原版を、もう1つのディスプレイに編集版を並べて表示し、作業効率をアップさせることができた。
また、ツイッターを閲覧しながら、別のディスプレイでユーチューブ動画を流すこともできる。2つ目のディスプレイは、バーチャルなゲームパッドとして使うことができ、格闘ゲームや横スクロールするタイプのゲームではプレイ体験が大幅に向上する。デュアルスクリーンを装着すると厚みと重量が増すが、それほど気にならない。ポケットに容易に収まるし、iPhone XS Maxと並べても大差はない。
ただし、サムスンやファーウェイの折りたたみスマホは、開くとタブレット級の大画面になるが、V50は2つのディスプレイを横に並べているため、操作感は異なる。
一方、価格はサムスンのGalaxy Foldが2000ドル、ファーウェイのMate Xが2500ドルであるのに対し、V50の2台セット価格はその半額程度だ。V50はお手頃な価格に加え、耐久性も他の2機種より優れているのが大きな利点といえる。