いまってインスタグラムなどのSNS上では、成功している面しか公開しない人が多く、それを見て自分と比べてしまいフラストレーションを感じている人もたくさんいると思うんですよ。なんで私はもっとうまくいかないの? なんで彼らはこの年齢でこんなライフスタイルができるの? って。でも、そんなことは無視して自分らしさを見つけてほしいです。
振り返るとすべて「Make sense」する
私自身の20代を振り返ると、日本に来て新しいスタートを切り、いろんなことを試して良かったなと思います。いま考えると、最初のデザインファームをクビになった時が、一番大事な経験だったと思うんですよ。人生ってこういうものだなと思ったんですね。
スキルかノウハウか。その2つがないんだったら、体で覚えるしかないじゃないですか。なんでも100%でやるか、やらないか。大学卒業後なんてノウハウもないし、経験もゼロ。働き始めてからスタートしたって悪いことじゃなくて、次のステップに向けて自分をビルドアップしていくことが大事。
最初の仕事を解雇され、アパレルのアルバイトをしたことにも意味があったと思います。お店は時給+コミッション制だったんです。売り上げの何パーセントかをもらえるシステムだったので、勉強になりました。いろんなスキルを勉強しながら分析して、ノウハウをなるべく収集しようとしてきたので、いま、ファッションブランドのデザインや経営に活かされてるんじゃないかな、と思います。
振り返るとすべて「Make sense」するんですよ。普通に一つの会社で働くだけじゃなく、いろんな仕事をすると、そこで得たスキルやノウハウはすべて使えるんです。
正直、20代で何をやりたいかなんて分かっていないと思います。30歳になっても分からない人はたくさんいるでしょう。見つからないんだったら、何でも試してやってみて、やりたいことを見つけたら、100%で突っ走ってください。
私はデザイナーとして、会社を経営するビジネスパーソンとして、多面的に現状を理解した上で、先を進むパイオニアでありたいと思っています。そのためにはいつも勉強して、いろんな意見を受け入れるようにしています。
個人的に尊敬している人たちは、すごく先の未来を見ています。最近はイーロン・マスクが好きで、よくインタビュー記事を読んだり、動画を見たりしています。同じ人間なのに発想が普通じゃない。すごくパワーをもらうんですよね。
ファッションをやっているからって、ファッション業界の話ばかり追っていてもつまらない。AIにも興味を持っていて、最新情報をチェックしています。違う業界の情報からアイデアと刺激を受けて仕事をするのが楽しいですね。
ユン◎韓国で生まれ、アメリカ・シアトルで育つ。夫のVERBALとともにブランド「AMBUSH」を始め、2012年に初めてジュエリーコレクションを発表。17年、LVMHプライズのファイナリストに選抜された。2018年4月、Dior Men ジュエリーデザイナーに就任。
YOONが「インフルエンサー部門」のアドバイザリーボードとして参加した「30 UNDER 30 JAPAN 2019」の受賞者は、8月23日に特設サイト上で発表。世界を変える30歳未満30人の日本人のインタビューを随時公開する。昨年受賞者、「スーパーオーガニズム」でボーカルをつとめる野口オロノや、レシビ動画「クラシル」を運営するdelyの代表取締役・堀江裕介に続くのは誰だ──。