米「自動運転シンポジウム」に集結した世界トップ企業の主張

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米フロリダ州オーランドで7月15日から開催された、自動運転に関するシンポジウム「The Automated Vehicle Symposium 2019」は、オーロラ(Aurora)CEOのクリス・アームソンが司会を務めるセッションで幕を開けた。

自動運転の技術開発に特化したオーロラは、これまでに6億2000万ドル(約670億円)を調達しており、この分野で最も多くの資金を調達した企業の中の1つだ。同社は今年2月、シリーズB資金調達でアマゾンやセコイア・キャピタル、ティー・ロウ・プライスなどから5億3000万ドルを調達した。

今年のプレゼンテーションは、これまでの機能的安全性から、SOTIF(Safety Of The Intended Functionality)と呼ばれる、システム故障以外のリスクを想定した安全性へのシフトが色濃く反映された内容となった。

元ウェイモのアームソンは、ウェイモ時代に自動運転車のテスト走行を指揮し、公道での走行実績は1000万マイル(約1600万キロ)を優に超える。これまで、各社は走行距離を増やしながら事故発生件数を減らすことに注力していたが、それだけでは不十分だ。

従来のこの分野の企業はコンピュータの安全性に注力してきたが、今回アームソンは安全性に対する考え方を刷新することを提唱した。自動運転車の普及が近づく中、新たな基準が安全計画の中核を成す必要がある。

アームソンの計画はリスクを測定し、「人間より安全な走行」を目指している。このアプローチは、許容できるリスクを測定すると同時に、認知やモーションプランニング、マッピングなど、システムのあらゆるコンポーネントの不確実性を計算する。

自動運転車の普及が近づく中、「新たな問題に直面するまで走行し続け、問題が生じてから修正する」という昔ながらの方法を、見直すことが必要だ。

シミュレーションテストでも変化が生じている。各社は異なるシミュレーターを用いて、テストを実施しているが現実的なシナリオから乖離している。最近では、実際の交通状況に近い設定でシミュレーションを行う動きが増えている。
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編集=上田裕資

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