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スウェーデン移住エンジニアのライフ&ワーク


コネ:大切なのは信頼できるか

スウェーデンに限らず欧州諸国ではいわゆるコネがかなり効く。周りの同僚を見てもマネージャー個人のネットワークから雇われた人が多くいる。かつての同僚や友人、自分の部下の知人等つながりはなんでもよく、大切なのはこれから雇用する人間が信頼できるか、あるいは誰かが推薦した人間であることが大切だ。ちなみに、日本では一般的な新卒一括採用というのは、こちらでは存在しない。

前段の文化理解度にもつながる話だが、日本企業から外国企業への転職は文化が異なり過ぎて雇う側と雇われる側双方にとってリスクが大きい。そこで私がお勧めするのは、まずは日本で外資系企業に転職をすることだ。私も実際に、ホンダ→ BMW Japan→ 現在と、間に外資系を入れたからこそスウェーデンへの移住が見えてきた。

ただし、外資系と言っても注意が必要だ。社長と役員だけ外国人で、実働部隊はすべて日本人であった場合、これでは実務を通して外国文化や言葉を習得する機会は皆無と言える。面接時に同僚の外国人の割合や、面接官の直近のメール何通のうち何割が外国語のやりとりとなっているかなど、数字で「外資系度合い」を自分なりに押さえることが大切である。

BMW Japan時代、私の上司はドイツ人であり、同僚もドイツ人を始め多国籍のチームであった。また、ミュンヘンの本社へは年に何度も行く機会があり、その際は同僚宅に泊めてもらい、16時に退社する彼らのワークライフバランスを、身をもって確かめることができた。

このように出張の際に着々と本社の人間とコネをつくり、人脈を築けば良い。日本企業で駐在の辞令を待っていても仕方がないので、積極的にコネを築き、自ら道を切り開くことが大切である。このプロアクティブなメンタリティは、移住後にもかなり重要なものとなってくる。

専門知識:目指すはオンリーワン

ここがネックとなる人も多く存在するだろう。まず、文系だから、理系だからといった安直な考え方は通用しない。専門性とは、要は需要と供給のバランスの話である。自分のこれまでのキャリアやバックグラウンドを掛け算し、オンリーワンであることを目指すべきだ。

日本人であればまず母国語として日本語が話せることを強力な武器とすべきなのは言わずもがな。だが、それだけではなかなか良い条件の仕事は探せない。とにかく大切なのはまずは自分が住みたい国の事情を探らなければならない。


emirhankaramuk / Shutterstock.com

例えば、スウェーデンでは慢性的に自動車業界のエンジニアが足りていない。ボルボやトラック大手のスカニアなどの巨大企業は、「超」が付くほどのインターナショナル企業だ。私は頻繁にボルボ本社へ出張する機会があるが、彼らのオフィスで聞こえてくるのは英語ばかりだ。実にさまざまな国籍の人たちが働いている。

逆に言えばスウェーデン人だけではこの企業規模を維持できないとも言える。そしてそこに日本人はいない。少なくとも私は出会ったこともないし、今まで出会ってきたボルボの社員に、同僚で日本人はいるのかと聞いたが、その存在は未だ確認できていないし、仮にいたとしても極少数となる。

では、こういう環境のところに、自動車産業が世界トップクラスで栄えている日本から応募があったらどうなるか。これはとても目立つし、その人は希少性の高い人材となれる。

文=吉澤智哉

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