店内一面に貼られた「Prime会員なら〜」の文言
滞在2日目からは企業訪問が始まった。まずは、一昨年アマゾンに買収され、大きな変化を経験した「Whole Foods Market (ホールフーズマーケット)」へ。ストアーマネージャーのアンジェラさんがツアーの対応をしてくれた。ホールフーズは商品群によるチーム制を引き、それぞれのチームが大きな権限を持って様々な決定を行なっていくシステム。
ディスプレーの仕方や推薦商品の選定、また会社の人事方針までをチームで話し合い、提案できるという独特な制度で運営されている。
そのために、社員満足度も社員の定着率も非常に高く、筆者が声をかけた社員はすべて10年以上勤続長い人になると、ストアーオープンからのベテランもいるとのことだ。なぜ長く勤めているのかと聞くと「このお店が好きだから」や「チームが好きだから」と言う言葉がすんなりと帰ってくるのが実にすばらしかった。
アルカイビーチにあるレストラン「Salty’s on Alki Beach」。安倍首相が米国訪問時に明恵夫人と「お忍びで」訪れた。
このツアーでのシアトル訪問は昨年に続く2回目だったが、昨年からの大きな変化として、顧客のアマゾンプライムメンバー比率がある。
現在では全顧客の実に65パーセントがプライムメンバーとなっていたのだ。ホールフーズの店内にも「Prime会員なら10%オフ」のポップがあちこちに貼られていたほか、Prime会員限定特別ディスカウントもあちらこちらに見受けられた。今までPrime会員でなかった人も、ここまでのディスカウント戦略を見せられたなら、Primeに入会してしまうのではないだろうか。
アマゾンによる買収後、ホールフーズの客単価は実は大幅に下落したとのことだが、低価格戦略、購入金額アップ戦略など、目下様々な試行錯誤中といったところだ。
プライムメンバー向け「インストアピックアップ」もスタート
またプライムメンバー向けのサービス、都市部に近い小さな倉庫に限られた商品を在庫し、2時間で配送する「Prime Now」、のインストアピックアップ（ホールフーズでピックされた商品がそのまま、「Amazon Now」の商品としてお客様に届くというもの）対応が始まっていた。
店内では、「Prime Now」と書かれた紙袋に店内でピックアップされた商品が詰め込まれ、出荷される様子も見受けられた。この「PrimeNow」はが、どうしても倉庫のキャパシティーの問題で品揃えが限られるという弊害があった。
