サンフランシスコに拠点を置くSpireは7月、ルクセンブルク宇宙局(Luxembourg Space Agency)と協力して“データレイク(データの湖)”を作ると発表したばかりだが、今回の提携はこれに続くものだ。Spireのプロジェクトに参加する企業は、人工衛星から生のデータを取り出して独自のプロダクトを開発できるようになる。
「気象や船舶のトラッキング、そして航空分野において、人工衛星を使ったビジネス向けの地球観測データに関する認知度と需要が高まっている」とSpireのCEOのPeter Platzerは声明で述べた。「我々は、他社には不可能な場所でデータを収集している」
Spireは軌道上の小型人工衛星100基以上を駆使し、ラジオ周波数を使ってデータを収集している。同社によるとラジオ周波数を使った人工衛星を軌道上により多く投入すれば解像度が上がるため、可視周波数を使ったものに比べて有利という。可視周波数を使って解像度を高めるには、個々の宇宙船のレンズを大きくする必要がある。
SpireとKleosが協力して提供するサービスは、2019年の後半に利用可能になるという。Spireは「政府や海洋企業など、不審船を検知することでメリットを得る全ての組織を支援し、そのためのツールを提供する」と説明した。
国際的に義務づけられている船舶の動きや積み荷などを識別する自動船舶識別装置(AIS)を使っていない船舶は、ダーク・ベッセル(黒い船舶)と呼ばれるが、SpireとKleosの取り組みで、それらの不審な船の発見や追跡が容易になる。