「Consumer Physics」と「Unispectral」は、消費者が食品をスキャンすることで化学成分を把握できる技術を提供している。「DayTwo」は、科学的根拠に基づき、パーソナライズした栄養摂取のモニタリングとアドバイスを行っている。「Aleph Farms」、「SuperMeat」、「Future Meat Technologies」、「BioFood Systems」は、人工培養肉の開発を手掛けている。
Aleph Farmsは、イスラエルで最大級の食品会社「Strauss Group」が2015年に立ち上げたインキュベータ「The Kitchen」によって設立され、世界トップ3の食肉生産者になることを目指している。
The Kitchenは、モンデリーズやペプシコ、ダノン、三井物産、カルフールといった世界的な大手企業と提携している。現在、35ヶ国から530もの大手企業がイスラエルのイノベーション・エコシステムに積極的に参加している。
「大企業はこの数年でスタートアップと協業し、イノベーションを起こすことを学んだ」とWeissは話す。
The Kitchenの本拠は、テルアビブの南に位置する小さな町アシュドッドにある。イスラエルのスタートアップは、その多くがテルアビブの近郊に集積しており、Israel Innovation Authorityはテルアビブ以外のこうした地域にスタートアップの活動を広めようとしている。
官民の協力でイノベーションを育てる
イスラエルで最も成功しているVCの1つである「Jerusalem Venture Partners (JVP)」が中心となってイスラエルに7つのテックハブを構築し、その1つはフードテックに特化している。「官民が協力することで、かつてはラクダがうろつく砂漠だった場所が、サイバーセキュリティで世界をリードするようになった」とJVPの創業者であるErel Margalitは話す。
先月、Israel Innovation Authorityは、イスラエル北部の小さな町Kiryat Shmonaにフードテックのイノベーション・インキュベータを設立する入札を行い、「Sparks Foodtech Consortium」が選ばれた。コンソーシアムには、イスラエル最大の食品と飲料の会社である「Tnuva」と「Tempo」のほか、アグテックとフードテックに投資をする米ファンド「Finistere Ventures」、「OurCrowd」が含まれる。コンソーシアムは、今後8年間で40のフードテックスタートアップに最大1億ドルを投資する予定だ。
Medvedはペプシやハイネケンなど、コンソーシアムと協業している企業の役割について次のように述べている。「彼らは食品ビジネスを熟知しており、変革を起こすエージェントの役割を果たしたいと考えている。インキュベータにとって、VCや業界の大手企業から指導や支援を受けることができるのは、大きな利点だ」