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Automation Anywhereのミヒール・シュクラ

シリコンバレーで25年間、5社の起業に携わってきたミヒール・シュクラ。彼が2003年に6社目として起業したAutomation Anywhere(オートメーション・エニウェア)は、2015年にRPA(Robotic Process Automation)の分野で世界のトップシェアを獲得。グーグルやシスコなどが導入している。WiLやソフトバンク・ビジョン・ファンドから総額5億ドル超の資金調達にも成功し、昨年、満を持して日本市場に参入した。

シュクラは、オートメーション・エニウェアを起業するにあたり、世界中のさまざまなオフィスをまわり、何百万人もの人たちが単調なマニュアル化された生産性の低い仕事に従事しているのを目の当たりにした。たとえば、あるアプリケーションから別のアプリケーションへデータを移すといった単純な作業だ。

「製造業はオートメーション化により、人々の労働が変わった。同じようにオフィス環境においてもオートメーション化により大きな革命が起きるのではないか」

シュクラは、これまでも常にエンドユーザーとコミュニケーションを図り、課題を見つけ、現状に挑み、新たなものを生み出してきた。これは彼の言葉でいう「技術による破壊」だ。

こうした知見から彼は、RPA事業への参入を決めた。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、主にホワイトカラー層のオフィスワークをbotが自動化や代行するサービス。たとえば、人事であれば、RPAの導入で給与計算、給付金の管理、コンプライアンス報告などが自動化される。自動化により、生産性の向上や人為的ミスの防止、コスト削減、人手不足の解消などが期待される。

日本市場の重要性

米国での創業から15年経った昨年の日本進出について、「RPAに対するニーズが日本市場でも認識されるようになってきたので、日本で本格的な展開を始めた。まだ1年しか経過していないが、我々にとって日本は、アメリカに次いで世界第2位の市場になっている」とシュクラは語る。

日本市場はさらに大きな成長を遂げる要素があると同社は考えているようだ。まず、高齢化により労働人口が減少している一方で、働き方改革により残業規制が始まったこと。たとえば、大企業で今年4月(中小企業は2020年4月)から施行された時間外労働の上限規制がそれに当たる。RPAの導入で人手不足の解消につながると期待されるからだ。

また、製造業でハードウェアのロボットが世界に先駆け導入された歴史も見逃せないという。ハードウェアロボットが受け入れられたならば、ソフトウエアロボットも受け入れられる公算が高い。

さらに、日本では紙の文章や手書きによる文章といった非構造化データが多く、これらに対しAIを活用した技術で読み取る同社の強みが活かされる。同社は、競合他社がフロントオフィスのRPAをメインに市場を開拓しているのに対し、バックオフィスにおいてもAIを活用したソリューションを提供している。

文=本田カツヒロ 写真=帆足宗洋

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