プライバシー侵害説はデマ?
FaceAppに投稿された画像は48時間後にアマゾンやグーグルのサーバから自動的に削除され、同社が商用目的で画像を使うことはないという。画像をサーバ上に48時間保管する理由は、ユーザーが新しいフィルターを使うたびに新たに画像を投稿する手間を省くためだという。
コード自体はほとんど変わっていないが、現在はアプリを起動すると投稿した画像がクラウドに一時的に保管されることを確認する通知が表示される。「他のアプリは、我々よりはるかに多くのデータをユーザーから収集している。我々は何もしていない」と彼は話す。
ゴンチャロフは、2000年初めにソフトウェアエンジニアとしてマイクロソフトでウィンドウズモバイルの開発に従事していた。彼は世界初のオープンで大規模なスマートフォン向けOSの開発を通じて未来を作っていることに熱意を抱いていたという。
しかし、彼は故郷であるサンクトペテルブルクでスタートアップを設立することに大きな魅力を感じ、Vassili Philippov、Sebastian-Justus Schmidtと共に「SPB Software」を立ち上げ、チーフ・テクノロジー・オフィサーに就任した。同社は、Windows Phone向けにホーム画面を開発していたが、iPhoneやアンドロイドの台頭でWindows Phoneが凋落すると、事業内容の変更を余儀なくされた。
ゴンチャロフは、自身がマイクロソフトを去った後、Windows Phoneがアップルに対抗するためにクローズドなシステムに変更したことを嘆き悲しみ、「今でも当時のことを思い出すと胸が痛む」と語った。
その後、2011年にロシアの検索エンジン大手「Yandex」が3800万ドルで買収を提案してきた。ゴンチャロフは、会社の売却で手にした金額を明らかにしていない。
彼はその後、ニューラルネットワークに興味を持つようになったという。彼が特に関心を持ったのが、性別や髪の色をもとに、アルゴリズムを用いて顔を生成する技術だった。
「当時の技術レベルは低かったが、それでも魔法のようだった」と彼は話す。その後、6ヶ月間に渡ってアルゴリズムを修正した結果、技術を格段に向上することに成功した。
ゴンチャロフは2013年にYandexを去ると、自らのプロダクトを開発するようになった。最初に手掛けたのは、ホテルのWi-Fiをテストするツールで、一定の成功を収めた。彼はその後、2016年にFaceAppの開発に着手し、2017年にベータ版をリリースした。技術はまだ発展途上だったが、人をより美しくする「hotnessフィルター」が話題を呼び、大きな人気を博した。
数百万人のユーザーを獲得すると、ゴンチャロフはFaceAppのウォーターマークや広告を除去できる有料会員制度を追加した。FaceAppが目指したのは、AIを用いてフォトショップに代わるサービスになることだった。