「顧客満足度最悪」の米航空会社、AIサポートで好感度UPへ

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顧客満足度が最低レベルといわれる米国の航空会社が「スピリット航空(Spirit Airlines)」が、その汚名を挽回しようとしている。

米国の超格安航空会社のパイオニアとして知られるスピリット航空は、「安かろう悪かろう」のスタンスで、既存の航空会社との間で価格競争を繰り広げ、顧客基盤を拡大してきた。

2004年に米国市場で14位だったスピリット航空は現在、年間2900万人の搭乗者数を誇り、売上規模で7位のポジションに駆け上がった。スピリット航空は格安航空分野で競合のアレジアント・エアやフロンティア航空を上回る規模に成長した。

ただし、スピリット航空が顧客満足度を犠牲にし、価格の安さのみでアピールしていることは明らかだ。米国の航空会社のクオリティを格づけするサイト「The Points Guy」の2019年版のデータで、スピリット航空は9位に入り、8位のアレジアントや10位のフロンティアと同レベルの低評価だった。

そのスピリット航空が顧客満足度の向上に向けて、手を組んだのがチャット関連ソフトを開発するライブパーソン(LivePerson)だ。ライブパーソンはグーグルの検索結果から顧客が直接、企業に意見を寄せられるプラットフォームを提供する。

顧客がスピリット航空に関連する検索をグーグルで行った場合、グーグルの「マイ・ビジネス・チャット」と同様な流れで、航空会社にコンタクトをとることが可能になる。スピリット航空はAI(人工知能)と、人間のサポート要員の力を用いて顧客の要望を分析することになる。

ライブパーソンのシニアVPのMariam Rezaは「8週間の運用を行った結果、全体の30%以上の顧客リクエストは人間による対応が必要ないものであることが分かった」と述べている。

スピリット航空はライブパーソンのAIシステムを用いた、SMS経由のリクエストの受け付けを一部の顧客向けに既に導入済みだ。2社は、グーグルの検索結果からの要望の受け付けを年内に本格始動すると述べている。

編集=上田裕資

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