写真で見る世界の先住民たち 文明社会との「幸福な接点」はあるか

エチオピア、DVDをイヤリングにしたボディ族の男性(Eric Lafforgue/Art in All of Us/Corbis via Getty Images)

気候変動や地球温暖化といった地球的な問題が差し迫るなか、われわれが環境を守り、この地球での暮らし方に対する考えを変えるために、先住民の知恵から多くを学べることは事実である。

だがこの1世紀、多くの民族が自分たち固有の土地や伝統から追われ、多数決主義的な人生観を押しつけられてきた。だが彼らは今、程度の差はあるものの、人工的で「便利な」情報社会で暮らすわれわれ現代人の、時代や進歩についての方針や考え方と折り合いをつけようとしているように思われる。

時代と向き合おうとする世界の部族たちの姿を写真で追ったフォーブス・インドの記事と写真を、以下転載する。


狩りの矢の準備をするアンダマン・ニコバル諸島のジャラワ族の人たち(インド)

未接触部族のほとんどは、過去に現代人とのネガティブな経験がある。強制的に退去させられ、居住地を減らされるなどしたのだ。また彼らは、外部の人間が持ち込むインフルエンザやはしかなどの病気への抵抗力が極めて低い。1858年にはおよそ3500人のアンダマン人がいたが、初期の入植者と接触した結果、2011年の調査では44人にまだ減ってしまった。


Thierry Falise/LightRocket via Getty Images

冷凍庫やガスコンロのそばでタバコを吸うブラジル民族の男(ブラジル)

2018年、ブラジルの環境保全を担当するブラジル環境・再生可能天然資源院が、パレシ族、ナンビクワラ族、マノキ族に合計3300万ドルの罰金を科し、4万エーカーの土地を没収した。それは彼らが、先住民ではない農業事業者と共同で、マト・グロッソ州の居留地の広大な農園で、大豆やトウモロコシなどの遺伝子組み換え穀物を栽培していたためだ。

収穫からの彼らの取り分はわずか10分の1未満だったが、パレシ族はその利益で自動車やスマートフォン、ベッド、ワイドスクリーンテレビ、冷凍庫、ブロードバンドインターネット対応のアンテナを購入できるようになった。


Ueslei Marcelino / Reuters

環境問題の専門家によれば、商業主義的な農業は、ブラジル産大豆への需要が中国などの市場で非常に高まっていることもあり、先住民の文化を破壊する可能性がある。だがパレシ族の年長者たちはそれを否定し、1800人強の部族が農業収入でよりよい教育や医療、大学への入学などを得て、進歩したと主張している。
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企画=Madhu Kapparath 翻訳=笹山裕子/トランネット 編集=石井節子

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