経済・社会

2019.08.19 19:00

写真で見る世界の先住民たち 文明社会との「幸福な接点」はあるか

エチオピア、DVDをイヤリングにしたボディ族の男性(Eric Lafforgue/Art in All of Us/Corbis via Getty Images)


ニヤムギリの丘の頂上に立つドングリア・コンド族の人びとと、生け贄のヤギの頭(インド)
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ドングリア・コンド族の人びとは、ニヤムギリの丘を「生ける神」として崇拝している。2010年、多国籍鉱業・資源グループの英国本社「べダンタ・リソーシズ」が、オリッサ州ランジガに近い山脈、丘の近くでボーキサイトの採掘を計画したとき、部族は反対した。

べダンタ社は、「ボーキサイトの採掘計画で先住民族の権利が侵害される」という主張を否定した。計画は2013年に最高裁判所での敗訴により中止になったものの、部族の人たちは2019年の最高裁判所の判断に危機感を抱いた。土地の所有権が認められていない110万人が、中央政府によって立ち退きを命じられたのだ。


Reinhard Krause / Reuters
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リチャード・ブランソンを歓迎するアボリジニの人々(オーストラリア)

アボリジニーの人たちが並んでイギリスの実業家リチャード・ブランソンを歓迎している。写真は2004年、ブランソンがヴァージン・アトランティック航空のロンドン=シドニー便を就航させるためにシドニー空港に到着したときの模様だ。

アボリジニーは入植者によって奴隷にされたり大虐殺されたりし、その数が急激に減少した。オーストラリアの先住民と非先住民との間の和解は、オーストラリアの政治において重要な課題となりつつある。


Patrick Riviere/ Getty Images

サンティアゴで行われたコロンブス・デー反対デモのさなか、機動隊から逃げるマプチェ族の仮面をつけた男(チリ)

2018年、クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸に到達して526年が経った。ラテンアメリカの先住民族の多くはこの日を、コロンブスが「奴隷制度や病気、植民地化、大量虐殺をヨーロッパからアメリカ大陸に持ち込んだ厄日」と考えている。


Ivan Alvarado / Reuters

錆びついたAK-47ライフルを携えるディンカ族の牧夫(スーダン)

この牧夫が錆びついたAK-47ライフルを携えているのは、南スーダン中央部のルンベク周辺で、襲撃者から、家畜牛のコブウシを守るためだ。この遊牧民族の人びとは、数十年にわたり200万人以上が犠牲になった内戦に巻き込まれた。

そして、太古からの他の遊牧民族との対立は、今も終わっていない。武装して敵を襲撃し、群れからウシを奪う行為は昔から日常的に起きている。しかし銃が広まったことにより、戦いは槍や弓矢による衝突から、敵の姿が見えない「奇襲攻撃」へと変わってきた。


Goran Tomasevic / Reuters
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企画=Madhu Kapparath 翻訳=笹山裕子/トランネット 編集=石井節子

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