国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」プレミアでのジェイソン・ステイサム(Photo by Emma McIntyre/Getty Images)

シリーズ累計興収5000億円を突破、カーアクション映画の定番になってきた「ワイルド・スピード」シリーズの9作目がついに公開された。その名は、「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」。

今作でも、スキンヘッドの大スター、ドウェイン・ジョンソン演じるホブスと、ジェイソン・ステイサム演じるショウが、今までにないほどのカーアクションを披露する。面白いのは、いつもよりもスター同士のコメディタッチのやり取りが目立つところだ。8月2日にアメリカや日本などで公開され、すでに全世界の興行成績が200億円を超えている。

ストーリーを簡単に言うと、本当は仲が悪い元FBI捜査官ホブスと元MI6エージェントのショウが、超人的な戦士で悪役のブリクストン率いるテロ組織の新型ウイルス兵器阻止のため、否応なしにコンビを組んで戦う超大作だ。

次期ジェームス・ボンドと噂されていた英国の黒人俳優、イドリス・エルバが悪役のブリクストンを演じるが、彼が「俺を見ろ。俺は黒人スーパーマンだぜ!」と言った時には思わず笑ってしまった。


イドリス・エルバ(Getty Images)

監督は、「ジョン・ウィック」と「アトミック・ブロンド」で一躍有名になったデヴィッド・リーチ。本作では、世界一流の大アクションスター、ジョンソンとステイサムの役柄が格好良く写るように、肉体派の戦闘シーンと、笑えるおちょくり合いのシーンを上手い具合に融合させている。アクションを除けば、スーパーコンボは昔のおかしなアメリカの友情コメディのようだ。

しかし当然、「ワイルド・スピード」シリーズだから、激しいカーアクションが必要不可欠。シリーズ1〜4作目までは、アメリカ車や欧州車のスーパーカーが登場するほか、スープラ、GT-R、RX-7などの日本の名車も沢山登場した。

今回の「スーパーコンボ」は舞台がロンドン周辺という設定だし、超ヒーロームービーだからこそ、アメリカ人の視聴者の多くが芯から好むマッチョなアメリカ製のピックアップトラック、バイク、バギーとそれらの改造車がどんどん登場して戦闘シーンに巻き込まれる。

例えば、昔のアメリカの自動車の歴史に敬意を払う意味で、1967年式のシボレー・Cシリーズや1981年式のフォード・ブロンコ、または最新のジープ・グラディエーターが登場。ヘリコプターとチェーンで繋いだ数台のトラックが絶壁からぶら下がるシーンは見ものだ。

でも、僕が好きだったのが、ステイサムとエルバのチェイスシーン。ステイサムが運転するマクラーレン720Sが、エルバが乗るトランスフォーマーみたいに変形できる大型バイクに追われるが、マクラーレンが大型トラックの下をくぐってドリフトしながら、悪役から逃げようとするシーンはもう一回見たくなる。


映画のプレミア上映会で展示されたるマクラーレン720S(Getty Imaegs)

ロンドンが舞台だったので、ミニやMGなどの英国車が特に多く登場したけど、もう一つ面白いシーンは、レンジローバーの改造車が別のチェイスシーンに出た時。今回は日本車の出番が少ないけど、場面の背景には、トヨタ・カローラ、日産ノート、スバル・フォレスターなどが映っていた。

でも、ワイルド・スピードの話がここまで展開されると、日本車をフィーチャーするようなシーンはなかなか出てこないと思う。やはり、一流スターとマッチョなアクションシーンが次々繰り広げられ、それに合うクルマとなると、欧州のスーパーカーやマッチョなアメリカのトラックだろうね。そうだ、以前に紹介したいすゞD-MAXなら使えるかもしれない。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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