それがおそらくダンキンが、「植物由来の代替肉」を提供するビヨンド・ミートと提携した理由だろう。ダンキンは7月24日、マンハッタンの店舗でビヨンド・ミートの代替肉ソーセージ入り朝食メニューを提供すると発表した。ドーナツ店からヴィーガン企業へと、イメージ転換を図っているわけだ。
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こうした戦略的動きはダンキン・ブランドにとって適切だと評価するのは、米バンヤンヒル・パブリッシングのエコノミストで、シニア・リサーチアナリストのテッド・バウマン(Ted Bauman)だ。「ダンキンドーナツのような長い歴史を持つレガシー企業が、ヴィーガン向け『代替肉』を加えることは当然のことだと思う」とバウマンは話す。
「どんな企業であれ、消費者の嗜好が変化すればそれに順応しなければならない。そして、アメリカの裕福な都市部の多くでは、肉を使わない代替食品への需要がある。この点において、ダンキンはマクドナルドの戦略を追随している。マクドナルドは、ミレニアル世代の顧客基盤に適応すべく、消費者向けイメージの改善を行った。同様のことが、ドーナツの文字を消して『ダンキン』に改名したブランディングに反映されている」
そうした戦略は、ダンキンにとって実行しやすいものだとバウマンは考えている。なぜなら、「既存メニューにビヨンド・ミートの代替肉を加えるだけでいいから」だ。「ダンキンは、この戦略を採用するために、本物の肉製品をメニューから削除するわけではない。つまり、不都合なことはほとんどないのだ」